〈心魂プロジェクト〉という、ミュージカルのグループがある。
劇団四季でメインキャストを務めたこともあるプロのミュージカル俳優が集まっているという。
彼らは、障害を持つ人達のところに出向いて、ミュージカルの舞台を届けているそうだ。
彼らの初めての舞台は失敗に終わったらしい。
観客にまったく、歌が届かなかったという。
そこからが始まりだった。
彼らは、舞台を降り、障害を持った人達のなかに入って行った。
車椅子のそばへ行き、手を伸ばして、彼らの身体に触れ、歌う。
心の振動までも伝えようとするかのように、魂に向かって歌いかける。
寝たきりの人がいるなら、ベッドサイドに行って、歌う。
パフォーマンスする場所がない時には、施設の廊下も、彼らの表現の場に変わる。
小さな子供に、優しく歌いかける女性の姿は、歌い、伝える喜びが滲み出ていたからなのか、輝いて見えた。
歌、表現とは、本来そういうものだ。
失敗せず、うまく、より完璧なものに仕上げたいというのは、常ではあるけれど。
受け取る方にしたら、自分たちのために来て、歌ってくれることこそが、喜びで、生き続ける力にさえなる。
上手い下手を超えて、魂が響き合うことが本当にほしいものだ。
歌う方も、聞く方も、どちらが、どれだけ与えているかとか、そういうことではない。
どちらも、お互いを必要とし、心を共有している。
障害を持つこと、欠点と感じる部分も、本当のところ、いい悪いなどと測れるものでない。
基準など、有って、無い。
どんな見方だってできる。
誰もが自己表現者で、この生の舞台に立つ。
恥じることなく、等身大で、自分の魂の望む、表現したいものを、外へと現していけばいい。
何度も、繰り返し、変わり続ける姿を、現して行こう。