それぞれが図形と向き合う。
色鉛筆を走らせる音が重なったり、消えたりして。
無意識の微かな息づかいまでも聞こえてくる。
頭をよぎる一瞬の幻のようなイメージをつかまえて、図形の中に落とし込んでいく。
赤、黄、緑、青。
個性的な色が隣り合って、作り出す、ハーモニーやハレーション。
次、また次と、使いたい色を手に取っていく。
使うべき色には縛られない。
不調和を感じても、それもまた、味なのだと言おう。
この一片、一片をしっかりと塗り上げよう。
今、出来る事をひたすらに、ひとつ、ひとつと積み上げていくように。
途中に現れる、小さな花模様を愉しみながら。
そして、いつか、私だけの大きな曼荼羅の花が咲くだろう。
沈黙のなか、どれくらい時がたったか。
顔をあげると、彼女の曼荼羅はもう、完成していた。
淡い、優しい色あいの花々が咲いている。
言葉以上に伝わってくる。
それなら、もう、あえて言葉にはしなくていい。
フラワー・オブ・ライフ。
正円のなかに咲く、花々のハーモニー。
私達の曼荼羅の花を、一緒に咲かせよう。