格闘技 | ギフト〜なな色の羽

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私の中から産まれたがった言葉やお話を書いています

仙台には、たくさんのスポーツチームがある。

 東北楽天ゴールデンイーグルス、ベガルタ仙台、仙台89ERSバスケットボールチーム。

 それに、仙台ガールズプロレスリングもあるのだ。

 一番町でポスターを見つけた時には、唖然とした。

 色白で、おしとやかなイメージの仙台女子と、激しい格闘技とが結びつかなかった。

 その分、とても新鮮に感じた。

 NHKで『夢を信じる  しずちゃんと梅津トレーナーの5年』という番組の再放送をみた。

 お笑い芸人、南海キャンディーズのしずちゃんが、ボクシングの梅津正彦トレーナーと共に歩む姿が描かれていた。

 梅津トレーナーは、ボクシングに対して本気のしずちゃんを信じ、教え、共に闘ってきた。

 また、ご自身の身体はガンにおかされ、より厳しい闘いがあった。

 しずちゃんは、プレッシャーから、過呼吸になったりと、練習もままならない時があった。

 トレーナーは、彼女、甘いのかな、とつぶやく。


 私も二十代の時、過呼吸を経験したことがある。

 泣きながら、息ができなくなった。

 息を吐くことも吸うことも苦しかった。

このまま呼吸ができなかったら、どうかなってしまうと、恐怖心でいっぱいになった。

 その時は、過呼吸という言葉さえ知らなかった。

 そのまま逃げ出すのか、前を向いて進むのか、越えなければならない壁だったと思う。


 そして、しずちゃんはというと、コーチと共に試練を乗り越え、練習をつみかさねて、どんどん強さを身につけていく。

 スパークリングをする姿は、もう、男性とも女性とも感じさせない。

 ただ、撃ち、前に出、闘う姿だ。

 その姿は、すごくかっこいいのだ。

 対戦者と打ち合い、勝利を勝ち取ることだけでなく、自分自身とも激しく闘っている姿が重なるからなのだろう。

 梅津トレーナーは、できないなんて、自分への甘やかしだ。

 淡々とやるんだ、と伝える。

 なんと、心に響くのだろう。

 できる、できないと、頭のなかで考えられるうちは、甘いのかもしれない。

 全力でぶつかっていき、そこで出された結果に、すべての責任をとる覚悟をすることだ。

 淡々とやっていくという言葉は、一見、軽々としたさまを連想させる。

 けれども、実際は、しっかりと地を踏みしめ、一歩一歩の足跡が延々と続いていく姿のことを言うのだ。

 もう、心を決め、歩き始めてしまったからには、後戻りするという選択はない。

 使命感、といってもいいだろうか。

 しずちゃんの挑戦は、トレーナーの魂と共に、これからも続いていく。