ゴールドの海 | ギフト〜なな色の羽

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私の中から産まれたがった言葉やお話を書いています

 家の部屋からは、遠くに海が見える。

 太陽のあたる角度によるのか、冬の間はゴールドに輝く海を見ることができる。

 二十代のうちの六年間、スキューバダイビングをしていた。
 
 海の世界を、一度見たかった。

 雑誌で見るように、あんなに美しい景色を見られるならやってみたいと思った。

 一度では、済まなかった。

 もらったお給料のほとんどをつぎ込んでしまった。
 
 海に潜った最初の夜は、うなされた。

 身体にかかる水の圧力が残っているようで、苦しかったのだ。

 そして、寝ている部屋の天井を見上げ、なんと広い部屋なのかと、思った。

 いつもの六畳なのに、なぜ。

 海の中で、無重力のように、空間の縦、横、高さを行く経験をしたからだった。

 わたしの身体の感覚は、天井までも行動できる範囲として、空間を捉えていた。

 グレーブルー、透き通るアクアマリン、ターコイズ、サファイアブルーの海は、たくさんの命で、溢れていた。

 魚に、勢いよく、手をつつかれたことがある。

 卵が近くにあったのだ。

 コウイカは、威嚇のため、身体の色をどんどん変化させていく。

 それは、マジックショーのようだが、イカにとっては、危機を目の前にした、必死の威嚇行動だ。

 潜らなければ、見ることがなかった世界だった。

そして、 心の中に、よく思い出す景色がある。

 それは、海の洞窟の奥。

 光が大きなスポットライトのように差し込んでいた。

 そこには、仲間の一人がいた。

 わたしは、その美しい姿にうたれた。

 わたしは、日常を離れて、心から感じていた。

 たくさんの生き物を見た。

 その中でも、人はなんて美しい姿をした生き物なのだろう、と。

 目に見えているものが、すべてとは限らない。

 そして、見えているのに、わからなくなっているものもある。

 音楽、美術、スポーツ、読書…おもしろそうな扉をたたいてみる。

 そして、そこから日常へ戻る。

 世界はとても広かったことに気づく。