いつも怯えていた私たち。


でも小学生になった兄は

一度だけ母親をかばい、父を突き飛ばそうとしたことがあった。


夕飯のとき

父が母親の胸ぐらを掴んだとき

兄がやめろ!と間に入った。


すると矛先は兄へと。


壁に首を持って持ち上げられた。


叔母さんがとめてくれたから良かったが

あとから聞くと

もうフワーッとなり目の前が真っ白になり

もうこれで死ぬと思ったそうだ。


まだ小学五年生くらいだった兄…


包丁を身に潜め隠れていた時の兄の姿を今だに

忘れない……