あれは小学校4年生の時だ。

担任は明るく信頼できそうだなって

子どもながらに思っていた。


前の晩…

また夜中に家を逃げ出し

宿題をやれていなかった。


私の中で初めて外に発するSOS。


意を決して教壇に向かう。


中々言い出せず

やっと

『先生!昨日お父さんが暴れて宿題が出来ませんでした』


宿題を出さない日なんか今までもない。

きっと何かあったと悟ってくれる

そんな期待はもろく崩れた。


先生は

『お父さん、お母さんが喧嘩をするのは仲がいい証拠!!』と笑みを浮かべた……


無駄だ。

そう思い、ただ頷いて席へ戻った。


絶望を感じた。


最初で最後。私は外に発することはしなかった…


だから思う、

他人の子どもでも

見て見ぬふりはしない。


大人なんて……と思われない大人でいたいと。