こんにちは、ちょうもんです。
27日付けの朝日新聞の朝刊1面トップに、
こんなタイトル(※1)の記事が載っていた。
政治・経済の1面トップに、
農業の記事が掲載されることは、極めて珍しい。
思うに、
近々、日本が議長国となるAPEC(※2)の
重要課題であるTPP(※3)が締結されれば、
太平洋沿岸諸国間の関税率が、例外なくゼロになり、
大量の輸入農産物が安価で販売されて、
国内農業が大打撃を受けてしまうという反対論で、
農業が、今まさに政治問題化しているからだろう。
記事によれば、
①京都市内の農業生産法人“こと京都”は、
農業だけの時の収入が400万円だったのが、
カットネギの販売によリ、売上が2.7億に急増し、
②滋賀県甲賀市の農業法人“甲賀もち工房”は、
正月用の餅や草もちなどを加工販売することで、
もち米のまま売るよりも、売上が2倍以上になったという。
また、農水省の統計によれば、
①08年度の農業生産額は、9.8兆円だが、これに流通・外食を
加えると、99兆円に飛躍的にアップし、
②加工を手がける農業者の数は、5年前より43%もアップし、
3.4万人になったという。
まさに、これらの事実は、農業の“6次産業”化によって、
農業と地域が、活性化している証拠だと言えよう。
しかし、この記事は、
「農家が、加工・販売まですれば、在庫を抱えるリスクが
発生し、課題も多い。」と、最後を結んでいる。
これは、今まで生産だけに従事し、
営業やマーケティングの素人である農家が、
加工や販売をしても、果たしてうまく行くのか?
という、心配や懸念を示す声だろう。
たしかに、その通りだ。
経営意欲やセンスのない多くの農家は、
失敗する可能性がかなり高い。
では、どうすればいいのか?
解決策はあるのか?
実はある。
それは、いくつかの小規模農家が、
共同して農業生産法人を設立し、生産効率を上げることだ。
そうして余裕ができたスタッフが、
営業やマーケティングの訓練を受けることによって、
安定した加工・販売経営を行うことが可能になるのだ。
ただ、そこには課題が残っている。
それは、
年長の男性が権威を持つ古いタイプの農業社会では、
男性同士のプライドや意地の張り合い、
固定観念やしがらみなどから、
小規模農家の合併が、中々進まないことだ。
では、やはり無理なのか?
いや、解決策は実際にある。
●1つ目は、
『農業生産法人野菜くらぶ
』の代表の
澤浦彰治さんのように、新規就農者を支援し、
その後独立した就農者たちとネットワークを結び、
大規模広域化によって販路開拓を図ること。
●2つ目は、
『農業生産法人和郷園 』の代表の木内博一氏のように、
40代前半の経営感覚を持った若手の男性農家が、
強力なリーダーシップで、優秀な地元農家をまとめ、
スーパー、外食、生協などへの直販を始めとして、
直営工場で冷凍加工したカット野菜の販売や、
スーパー・直売所・レストランの経営に乗り出すこと。
●3つ目は、
ブログ冒頭に記してある私のポリシーであるが、
『農業法人せいわの里まめや 』のように、
農家のおばさんたちが集まって農業法人を作り、
豆腐・油あげ・味噌などの加工所や体験工房、
農村料理レストランを運営するように、
農家経営のリーダーシップを、女性が握ることだ。
女性は、知らない者同士でも、
たわいない話題から、
すぐに盛り上がって友人になれるし、
育児、介護など共通の悩みでつながりやすい。
そういう女性が、
農家経営のリーダーシップを握れば、
小規模農家が結束して農業生産法人を
設立することは、そんなに難しいものではない。
そうして結束した女性たちが、
ワイワイガヤガヤ言いながら、加工品を作り、
また直販所で、お客さんとだべりながら、
農産物や加工品を売れば、
繁盛することは間違いない。
以上のように、これからの時代は、
強い意志を持った者がリーダーシップを取って、
小規模農家をまとめて農業生産法人を設立し、
智恵を出し合って、経営を強化してゆく時代なのだ。
※1=“6次産業”とは、日本の農家が、
生産(第1次産業)だけでなく、
製造加工(第2次産業)や、
小売(第3次産業)を、
自ら手がけることによって利益を拡大し、
農業や地域を活性化しよう!
という狙いで、
東大の今村名誉教授が提唱した造語。
※2=アジア太平洋経済協力会議
※3=環太平洋パートナーシップ協定
