30歳の1日目。
俺は母と15年振り?くらいに目的を持って一緒にでかけた。
そのきっかけは、RくんとZくんが与えてくれたものだった。
母にはどんな顔して会えばいいのか分からないから、いつも無表情で会う。
頭の中では、
あの人は1人の女として人生頑張ってきた。
それは俺の為に頑張ってきたことだから、
その恩を返したい。その想いを実現できるように俺は生きよう。
と思って生きてきたが、
実際に会うと思考停止してしまい、心が親としてその女の人を捉えてしまう。
親と捉えると2人でいる空間は耐えられなくなってしまう。
母は過去の事を悔やみ、俺に対して母で在りたく接してくるのだが、俺はまだそれを受け止められていない。
過去に病んでしまい、
ごめんね、15歳頃からまともに食事も与えなかった。今思えば虐待だね。
幼少の時から、あなただけ放置してた。
今だったら可愛くてしょうがないのに、あの時はそれが出来なかった。ごめんね。
殴ったりしてごめんね。
過去の時間を精算する為にそんなことばっかり俺に言ってくる。
やめてくれ、俺は記憶に無いし聞きたくもないから前を向いて生きてくれ。
人生は苦労して生きてそれを希望に変えてかないといけないよ。
と俺は伝える。
俺だって、両親に謝りたいことだらけで、望んでた息子でいれなくて、存在してはいけないと思い続けて、それでも必死に生きてきたんだ。
その傷をえぐらないでくれ。
そんな事を言われたら、
俺はまた壊れてしまう。
そんな関係のなか、
Zくんが与えてくれた目的のおかげで、
俺と母はぎこちないながら15年振りに外出した。
目的の場所で、Zくんはこれでもかと母と俺に優しさを与えてくれ、母は感動して泣いた。
生まれてきて初めて母に、
○○、ありがとう。
と言われた。
母の心からの優しい言葉は初めてで、
俺はその言葉を受け止めきれなかった。
Zくんが与えてくれた優しさだけが心の中を一杯に満たした。
俺がずっと望んでたことが、
母を幸せにしようと思ってたことが、
ZくんとRくんが与えてくれた。
俺なんかのために。
こんなの反則だ。
俺はその空間が初めてでその瞬間から地に足がつけられなかった。
その後誕生日をRくんZくんSくんが祝ってくれ、
俺は地に足がつけられていないので空間がよく分からないまま家に帰り眠りについた。
朝起きて、
RくんやZくん、Sくんの存在を感じた。
流したことのない涙が流れ続けた。
心が満たされて、
満たされすぎて涙がとまらない。
ああ、幸せってこうゆうことなのか。
愛ってこれか。
もう言葉におこせない。
これ以上、文字に起こせない。