演劇評論を手掛けてきた先輩のお誘いで

中井貴一さん主演の舞台『風博士』へ。

世田谷パブリックシアターにて。

いいお芝居でした。

舞台は第二次世界大戦真っただ中の中国大陸。

中井さん演じる娼館の主は天文学者という設定で

戦争という極限状態での理不尽なドラマが

クスッという笑いや切ないまでの美しい言葉や

ギャグなどを交えて軽く楽しく...。

声高に反戦を唱えるわけでもなく、悲惨さは風味程度に

抑えて、そこがコントラストとなって余韻の深い作品に

仕上げられていました。

 

舞台って普段の生活とは違う場所にあり、異界だと

あらためて感じます。

日常はリアルで地上に根差していますが、異界では

ふだん体験できない事が起こり、それが日々の生活を

リフレッシュしてくれます。

映画も小説も同じなのでしょうが、舞台は一味違って

空気を役者さんたちと同じにしている分、非日常の

空間が濃いからなのかもしれません。

 

先輩は業界で知られた方だったので、とてもいい位置の座席が

用意されており、舞台の終了後はチャッカリ楽屋までお供して

役者さんたちにお目にかかるという余禄にあずかりました。

 

舞台がマチネだったので、二人ともランチはお預けのため

お腹がペコペコでした(*_*;

世田谷キャロットタワーの26階にあるレストラン『オークラ』で

夕食に近いランチを。

朝、突然カキフライが食べたいと突き動かされるように

思っていたので、絶好のタイミング!!!!

 

食事では舞台の感想に始まり、最近の役者さん、TVドラマ

古典芸能、俳句と話が盛り上がり

お店に入ったときは夕日が沈みかけた黄昏タイム

でしたが、気が付けば窓の外はとっぷりと日が暮れて

窓の外の街は灯りがキラキラと輝き始めていました。

 

そうそう。

舞台の背景は満天の星空で、星座の名前が

ところどころに登場し、学んでいるアストロロジーと

シンクロしていたのがうれしくて、ストーリーの切なさも

胸に迫って帰宅後もウルウルしていたのでした。