仕事にキャンセルが出たので、前評判の高い

『空海ーKU-KAIー美しき王妃の謎』を観に。

        

 

もともと私、空海さんが大好きなんです。

で、原作がこれまた大好きな夢枕獏さん

監督が、ほぼ全作品を観ている陳凱歌

となれば観るっきゃない。

 

獏先生の『沙門空海唐にて鬼と宴す』は

唐の都、華やかな長安を舞台に

天才、空海が幻術や人の思惑をかいくぐり

ホームズよろしく楊貴妃の死の謎を解いて

いくというもの。

 

これを土台に、『さらば、わが愛/覇王別姫』

の陳監督がスケールも大きく華麗に

描いています。

 

私的なミソといえば

幻術も含めた虚と実に翻弄される

人間の哀しみでしょうかね。

ゆえに原題が『妖猫伝』というのが

納得できる。

私、ラストの部分で泣いちゃいましたよ。

隣のお兄さんも泣いてたなぁ。

 

惜しむらくは

安部仲麻呂の影が薄かったこと。

中国からの目線では仕方ないかね。

空海役の染谷将太クンがコヅクリ

だったこと。

考えてみれば、キャストのほとんどが

中国の人というアウェイ感に圧倒

されたのかも。

クールな空海像は買います。

 

この映画に人生訓とかある種のもっとも

らしさを求めたらあきまへん。

楽しみなはれ。

そしてワイドスクリーンで陳凱歌的耽美の

世界に身を投じて酔うことを

オススメします。