内幸町シャンソンアワードというコンテストに出かけました。
お誘いくださった溝端由子さんは、幼稚園のママ友。
30年来のおつきあいです。
彼女が出場する、しかもお嬢さんもエントリーされた?
プロ・アマ、そして年齢を
問わないという開かれた
コンテストで、審査員は
あの有名なクミコさんを
はじめ、シャンソン界では
名だたる方々ばかりだと
いうことでした。
(すまんです、その世界はまったく知らないもんで)
出場者は全国から選りすぐりの方たち31人。
ふだん私、耳にすることのないシャンソン。
とはいえ、プログラムには知った曲が何曲かあり
由子さんの歌った曲は「桜の実のなるころ」という
よく知られたシャンソンでした。
が、出場者のうち彼女のほかお二人が歌う
という激戦で(>_<)
いよいよ由子さんの出番。
ドレスが地味めで、お化粧もどぎつくない
薄めの彼女が
「中学で教師として生徒と格闘しています。
20代で歌っていたシャンソンを還暦を迎えた
今、再び歌って点を線につなげたい」という
スピーチが、まず胸を打ち...。
ところが歌い始めると、会場は波を打ったように
シ~~~~~~ンと静まり返ってしまいました。
なんと美しいフランス語の発音なんでしょう!
表現の深みといったら....まるで母親が娘に
遠い思い出を話すような優しさにあふれ
目の前にサクランボの実る風景と、たたずむ
女性が目に浮かんで、歌の流れている
時間が長いような短いような....。
感動の涙で顔がグチャグチャになりました。
ああ、この人はシャンソンを歌うために
生まれてきたのかもしれない!
そう思えたのでした。
さてさて、結果は優秀歌唱者の1人に
選出されましたが、さらに
オーディエンス・オブ・アワードという観客の
心に響いた歌手に選ばれ、再び私は
泣いたのでした。・゚゚・(≧д≦)・゚゚・。
涙腺失禁といふ。
ああ、苦労は多くても、慈しむように大事に生きて
きた彼女の真心が、観客に通じたのね
はじめてお会いしたときは、まだ初々しいお嬢さんの
風情がありましたが、それをとどめながらもたくましく
生きてきた彼女が、身内のように誇らしく思えたのでした。
あの『「川の流れのように』を歌って
感動の余韻に浸っている私でございます。