虚空蔵菩薩[以下引用]

虚空蔵菩薩は、智慧と福徳の仏とされています。

「虚空」というのは空間を意味します。

仏の智慧と慈悲は果てしなく広大無辺であり、その智慧と慈悲を母胎のごとく優しく温かく包み込んでいるというのが、この虚空蔵菩薩なのです。

虚空蔵菩薩は密教で広まった菩薩です。

真言宗では虚空蔵菩薩を本尊として数々の修法が行われますが、特に大きな意味を持つのが「虚空蔵菩薩求聞持法」というものです。

虚空蔵菩薩の前で陀羅尼(だらに)を一心に唱えると、超人的な記憶力が得られるというものです。

有名な弘法大師も若い時期にこの修法を行って、それによって得られた力で膨大な経典を覚えることが出来たとされています。

その後人々の間では、「智慧さずけの菩薩」として盛んに進行されるようになりました。

また子どもが数え年の十三歳になったときには、「十三詣り」と呼ばれるものがあり智慧を授かりにいくとされています。

その姿は、冠に五仏をつけ右手に剣を持っています。
そして左手には宝珠または宝珠を乗せた蓮華を持っているのが特徴です。


  岬から1キロほど離れた海岸に、「御厨人窟 (みくろど) 」という海食洞穴があります。
  この洞穴にこもり、虚空蔵菩薩への祈りを唱え続けていた真魚の口に、ある日突然“光り”が
  飛び込みました。

  その瞬間、世界のすべてが輝いて見えたらしいのです。
  洞穴から見える外の風景は、「空」と「海」だけでしたが、その二つが、今までと全く違って、
  光り輝いて見えました。そのときから、真魚は「空海」を名乗るようになりました。

  「光り」が入ったときに、空海は“悟った”のでした。求聞持法を会得し、無限の智恵を手に
  入れたのです。 求聞持法会得に至るまで、空海は四国のけわしい山々で修行をするのですが、
  このとき修行したといわれるところが、「四国八十八ヶ所」のお寺になりました。
 
 
  お大師様のご誓願

 「虚空尽き、衆生尽き、涅槃尽きなば、我が願いも尽きなん。」

 「虚空が尽きるまで、迷える衆生が尽きるまで、さとり(衆生を救う行)の尽きるまで、永遠に
 仏に祈りつづけたい。空、衆生、さとりが尽きれば、わたくしの願いも尽きるであろう。」


 虚空蔵菩薩とは 

虚空蔵菩薩の「虚空」とは無量の意で広大無辺の福徳・知恵の功徳を蔵する菩薩。梵名アーカーシャガルバ
虚空蔵菩薩の経典と信仰 虚空蔵菩薩の信仰は虚空蔵求聞持法が8世紀初め頃伝えられてから盛んに信仰される。虚空蔵求聞持法は虚空蔵菩薩を念じて記憶力を得るもので、空海の「三教 指帰(さんきょうしいき)」に、この真言百万編を誦すれば大変な暗記力を得られるとあり、空海もこの修法をされました。智慧や暗記力ばかりか、あらゆる財 宝を得られる功徳、所願成就の功徳があるとされ、日蓮は12才の時「日本第一の智者となさしめ給へ」と21日間願掛けされて虚空蔵菩薩様から宝珠を頂かれ ました。
「虚空蔵菩薩経」は虚空蔵菩薩が神力によって衆生の罪を救うお経
虚空蔵菩薩像の形 五仏座像を付けた五仏宝冠を頂き、左手に福徳の如意宝珠か宝珠を乗せた蓮華をもつ。また、右手に知恵の宝剣を持つお姿もある。虚空蔵求聞持法の本尊は左手 に宝珠乗せた蓮華をもち、右手は与願印を結ぶものが多い。密教では平安時代後期以降、増益、息災の修法に用いられた五大虚空蔵菩薩像が造られた。
功徳は 智慧明瞭 学徳増進 記憶力増進の功徳があり、受験合格の菩薩として近年信仰を集めるばかりか天変怨敵退散 安産 罪障消滅 除病息災 福徳授与 丑年生まれ、寅年生まれ十二支守り本尊の功徳がある。



 「虚空」とは?

  真言密教ではその「虚空」にこそすべてのものが収められており、虚空蔵、虚空庫菩薩がいると
  述べています。

 
 「求聞持(ぐもんじ)法」とは   

  密教では物質の構成要素として地・水・火・風の物質性を考え、そこに重々無尽(融通無碍)に
  浸透している、虚空(空・エーテル・氣)を考えました。(五大)

  弘法大師空海は、その虚空の空間に入ると「五大に響きあり、十界に言語を具す(物質と精神には
  響きがあって、それぞれに言葉を用意している。声字実相義)」と述べています。

 「創造の波動として、宇宙に鳴り響いている宇宙原音に意識を合わせた行者は、その音を直ちに
  自分の理解できる言葉として聞くことが出来る」と述べています。

  善無畏訳「虚空蔵菩薩能満所願最勝心陀羅尼求聞持法」の中に
 「一経耳目文義倶解。記之於心永無遺忘」とある。お経を一度見聞きする事が有ればお経の意味を
  理解する事ができ、永く忘れる事が無い。

 御大師様(弘法大師空海)の「三教指帰」に
 「爰有一沙門。呈余虚空蔵求聞持法。其経説。若人依法。誦此真言百万遍。即得一切教法文義暗記」
  (一沙門より虚空蔵求聞持法を授かる。法に依って此の真言百万遍を誦すれば、一切の教法の文義を
   暗記する事を得)。

 「若能常誦此陀羅尼者従無始来五無間等一切罪障悉皆消滅・・・」
  (若し能く常にこの陀羅尼を誦する者は、無始より来たる五無間等の一切罪障は悉く消滅す・・・)等など。

 「三教指帰」に「阿国大滝嶽に躋り攀ち、土州室戸崎に勤念す。谷響を惜しまず、明星来影す。」
  御大師様(弘法大師空海)が求聞持法を修されたことが書かれております。

  御真言(マントラ)壱百万遍、御唱えします。どんな御真言かと言いますと、虚空蔵菩薩の御真言です。
  御真言はノウボウアカシャ ギャラバヤ オンアリ キャマリ ボ(ウ)リソワカと言います。

  壱百万遍を百日間で唱えるとすると一日、一座一万遍唱えます。又は五十日、七十五日間などもあります。
  五十日間で修行する方が多いようです。五十日間ですと一日、二座(二回拝む)一座一万遍で二万遍にな
  ります。一座終わるには個人差が有りますが五~六時間程かかります。いろいろ細かいきまりがあります。
虚空蔵菩薩には、「五大虚空蔵菩薩」と呼ばれるものがあります。

これは五体の虚空蔵菩薩が群像として表されたもので、中央に白色の法界虚空蔵、東方に黄色の金剛虚空蔵、南方に青色の宝光虚空蔵、西方に赤色の蓮華虚空蔵、北方に黒紫色の業用虚空蔵を配されています。

別名「五智如来(ごちにょうらい)」とも呼ばれています。

五大虚空蔵菩薩の5つの知恵は次のようなものです。

「法界体性智(ほっかいたいしょうち)」=真理の世界の本質を明確にする知恵

「大円鏡智(だいえんしょうち)」=大円鏡智(だいえんしょうち)

「平等性智(びょうどうしょうち)」=いろいろな事柄が平等であると観ずる知恵

「妙観察智(みょうかんさっち)」=いろいろな事柄の差別を正しく観察する知恵

「成所作智(じょうしょさち)」=自分と他人のためになるべきことを成し遂げさせる知恵



さて,前回では空海が七歳の時に、仏道に進む決意を表した捨身誓願についてお話いたしました。空海は幼少のときから仏縁深く、色々な不思議な体験をされています。
このことは、やはり家庭環境や親戚縁者に、精神的な影響を与える素地があったと考えられます。

空海の家系については「日本三代実録」※注1 に、讃岐の国の佐伯直田鈴伎麻 呂(さえきあたえたすずきまろ)空海の兄、などの空海の血縁につながる十一人について、宿禰(すくね)の姓を賜るように申請し、これが許されたことが記録 されています。そして佐伯直は、讃岐の国造(くにのみやつこ)地方長官の家柄でありました。

ここで空海につながる血縁の人を見ていくと、
長男 佐伯直鈴伎麻呂

二女 智泉大徳の母
   智泉大徳は(780~825)空海の甥。父は讃岐滝宮(たきのみや)の宮使で菅原氏、母は空海の姉。智泉大徳は常に空海の側近にあって苦楽をともにして、真言宗を広めるために努力された。

三男 弘法大師

四男 眞雅僧正
   貞観寺僧正ともいわれ、空海の実弟です。十六歳で空海に師事し、真言を学ぶ。二十三歳の時、勅命により宮中で真言三十七尊の梵号を唱誦し、その玉を 貫くような声に天皇は感動したという。東大寺長者法印大和尚を授けられた。そして法光大師の諡号を贈られた。

五女 智證大師の母
   智證大師円珍(814~91)比叡山延暦寺第五世座主、母は佐伯氏の女で空海の姪。円珍は入唐求法されている。

六男 眞然の父
   眞然大徳は空海の甥 延暦二十三年(804)に亡くなる。母は佐伯氏の女、幼少で出家し、奈良大安寺に住み、後に眞雅僧正の付法の弟子となり、空海亡き後高野山の整備経営に尽力した。
 このように空海につながる人は宗教家が多い、このような人材が生まれた背景には、佐伯家の教育と宗教的素養が育つ環境があったのではないかと思われます。

「日本三代実録」とは清和、陽成、光孝天皇お三代(858~887)までの29年あまりを収録する。特に授位に関してもっとも正確であるといわれている。

現在の香川県坂出市府中にあった国学に学んだ真魚は、15歳で母方のおじにあたる阿刀大足(あとうのおおたり)について学んだと、空海が18歳の時に著した「三教指帰」(さんごうしいき)に次のように述べています。
「余(われ)、年,志学(15歳)にして外氏阿二千石(がいしあにせんせき)文学の舅(きゅう)に就いて伏膺(ふくよう)し鑽仰(さんぎょう)す」
とあり、母方のおじ、阿刀大足の禄高は二千石で伊予親王の文学の先生です。
そのおじにしたがって文学を学び、また文章の手ほどきを受けたというのです。

後に「文鏡秘府論」(ぶんきょうひふろん)の中で「貧道(ひんどう)は幼にして表舅(ひょうきゅう)につきて、すこぶる藻麗(そうれい)を学ぶ」とあり、貧道とは自分をへりくだる言葉。
表舅とは母方のおじ、藻麗とは言葉や文章をたくみに表現することです。ですから真魚は母方のおじから言葉や文章を学んだことを述べています。

このようにして、文学を学んだ真魚は、15歳になって始めて阿刀大足について都に上りましたが、奈良の都は政治の腐敗によって混乱が起こり、延暦3年11月に奈良平城京から、新しい都である京都長岡に遷都が決行されたのです。そのようなときに大学受験に励まれたのです。
しかし、政情不安の中、真魚は時折山野を歩きながら、自分の進むべき道を模索し、おじの勧める大学に入るべきかどうか、仏の道に進むべきか大いに悩んだことと思われます。
そのような時に山岳修行者である一人の沙門に出会うのです。
その方こそ奈良大安寺の勤操大徳でありました。

 


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虚空蔵菩薩像 - e国宝


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