金剛界曼荼羅 
[以下引用]
大日如来は法界定印(ほうかいじょういん)を結び、五仏の宝冠を戴くきらびやかな菩薩形である。法界定印は衆生を表わす左掌(五本の指は五大を表わ す)の上に、仏を表わす右掌(同じく五指は五大を表わす)を重ねる事によって、仏と衆生が一体である事を象徴する印相である。正に大悲大定の威光に包まれ た姿と言える

 これに対して四仏は、赤い袈裟を着けた如来形となっている。
宝幢如来の与願(よがん)印は、衆生の願いをかなえようとする誓願を表し、
開敷華王如来の施無畏(せむい)印は、何ものも畏れる事のないよう衆生を守護する仏の威力を示している。
阿弥陀如来の定印は、心に安らぎを与える禅定の印である。
また天鼓雷音如来の触地(そくち)印は降魔(ごうま)印とも呼ばれ、釈尊があらゆる魔障に打ち克って悟りを開かれた時の成道の姿である。

 これら四仏の印相は、釈尊の成道をはじめとする代表的事績を象徴するもので、金剛界四仏も同様の印相である。

 また四仏は、私達が心の内に本来具わる仏性に目覚め、
菩提心を発して(宝幢如来)
修行をし(開敷華王如来)、
やがて菩提(悟り)に至り(阿弥陀如来)、
涅槃の境地に向かう(天鼓雷音如来)
心の発展過程(発心→修行→菩提→涅槃)を示している。

 四隅の四菩薩は、各四仏の働きを側面的に支援している。
(普賢菩薩は宝幢如来を文殊菩薩は観音菩薩を……)

八葉の赤蓮華は仏の浄らかな菩提心を表わすと共に、私達の心の内に本来具わる仏性が仏種から芽生え、やがて満開に華開き、悟りに至った心の境地を示している。

 またこの八葉蓮華の大きさは無限大であり、胎蔵曼荼羅全体を包み込んでいるとも考えられる。事実その事を示すかのように、胎蔵曼荼羅の大部分の尊が蓮華座に坐し、全体が蓮のイメージで満たされている。
(金剛界曼荼羅が白い月輪に満たされているのと対照的である)

それはあたかも、胎蔵曼荼羅全体が大日如来の胎内を意味し、生きとし生けるもの森羅万象が全て、大日如来の子宮に宿る胎児のごとく共存共生している事を如実に物語っている。

 中台八葉院の上方(東)は遍知院と呼ばれるように、中央には一切如来智印(三角智印)という火炎に包まれた三角形の象徴的造形がある。これは一 切如来の燃えさかる智火を表わし、釈尊が成道された時の大勇猛心に由来している。胎蔵曼荼羅が大悲の徳を表としている反面、それを裏付けるべき大智の力を ここにシンボリックに表現している。

下方(西)の持明院は、これを受ける形で大智の力を具体的に忿怒の形相をした明王として表現している。
その中央には正に智恵の仏である般若菩薩が鎮座している。

ここに仏教の説く時空を越えた無限悠久の十界の世界が、胎蔵曼荼羅として余す所なく描き尽される事となる。
 そしてそれらの諸尊が全て宇宙仏大日如来の化身であり、大日如来と平等の仏性をもついのちの輝きに満ちている。

 胎蔵曼荼羅が本有(ほんぬ)平等(本来的に一切の存在が仏と平等の仏性をもつ)を基本とする理の曼荼羅と呼ばれる所以がここによく示されている。

(3)現図金剛界曼荼羅 

.金剛界九会(くえ)曼荼羅

 金剛界曼荼羅は、7C末~8C初頭、南インドで成立したとされる金剛頂経(こんごうちょうぎょう)(「一切如来真実摂大乗現證三昧大経王経(いっさいにょらいしんじつしょうだいじょうげんしょうさんまいだいきょうおうきょう)」施護訳)に説かれる曼荼羅である。

 金剛界曼荼羅は智の曼荼羅と言われるように、大日如来の智恵の働きと、それに基づく悟りの世界を図像化したものである。金剛界曼荼羅は9つの方形の小曼荼羅から成り立っているので、九会曼荼羅とも言われる。(一会からなる金剛界八十一尊曼荼羅もある)http://ameblo.jp/jun2600/

 全体に大小の白い円形が幾何学文様のように配置されている。これは智恵を象徴する満月輪であり、全尊がそれら月輪内の蓮華座に坐す。
 

金剛界曼荼羅(全体) 浄土寺本     1.大日如来 2.阿如来 3.宝生如来 4.阿弥陀如来 5.不空成就如来









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