金剛界曼荼羅
[以下引用]
高野山霊宝館【収蔵品紹介:仏に関する基礎知識:大日如来】
空海の請来した九会で構成される曼荼羅は日本独自のもので他国には存在しない様だ、金剛界曼荼羅は主は「初会金剛頂経」に説かれるもので、多くは個々の曼 荼羅を集合し二十八ブロックに分類されており、中央の会だけで描かれる場合が多いが日本の金剛界曼荼羅は二八部(ブロック)の抜粋で構成されている、従っ て胎蔵曼荼羅と違い特に大日如来に於いて尊像が重複している。
構成される曼荼羅の内容は、・大曼荼羅(仏像で示す) ・法曼荼羅(微細会等、身密・口密・意密を三鈷杵・梵字{種子}に納める) ・三昧耶曼荼羅(持ち物で意を現す) ・羯磨曼荼羅(供養会・行動を示す)で主に描かれている。


金剛界曼荼羅の基本となる成身会は、
金剛界五仏、
十六大菩薩、
四波羅蜜(しはらみつ)菩薩、
内外の四供養菩薩、
四摂(ししょう)菩薩の以上37尊より構成され、
これを四大神(しだいじん)と賢劫(げんごう)千仏と二十天が囲む。
金剛界三十七尊
金剛界曼荼羅の首腦なり。第一根本成身會に一千六十一尊ある中に、五佛と、中央大日に屬する四波羅蜜菩薩と、他の四佛に屬する各々の四親近即ち十六大菩薩 と、内の四供養、外の四供養の八供と、及び四攝菩薩となり。此の中十六大菩薩は慧徳にして四波八供四攝は定徳なり。即ち此の數自ら三十七菩提分法の數に應 ず。因みに密敎に於いて諸尊の廢立の數法門に依って重々あり、一尊八尊九尊十尊五十三尊七十三、乃至十佛刹微塵數尊。
四波羅蜜菩薩
金剛界大日如來の四親近の女菩薩なり。是れ皆大日如來より流出して四方四佛の能生の母となるなり。一に金剛波羅蜜菩薩、黑靑色にして左手の蓮華の上に凾あ り、右手に阿シュク如來の印を結ぶ。金剛とは金剛堅固菩提心なり。此の菩薩を東方阿シュク如來の能生養育の母となす。二に寳波羅蜜菩薩、白黄色にして左手 の蓮華の上に寳珠あり、右手に四角の金輪を持す、寳とは萬善所成の功徳なり。此の菩薩を南方寳生如來の能生養育の母となす。三に法波羅蜜菩薩、赤肉色にし て無量壽の印を結び、蓮華の上に凾あり。法とは智慧門説法の徳なり。此の菩薩を西方無量壽佛の能生養育の母となす。四に業波羅蜜菩薩、靑色にして左手蓮華 上に凾あり、右手に羯磨杵を取る、業とは衆生の利益の事業なり、此の菩薩を北方釋迦如來の能生養育の母とす。【兩部曼荼羅鈔上】
阿迦尼陀天(akaniopta)に於いて一切義成就菩薩が覚りを得て金剛界如来となると金剛頂経にあるが金剛界如来とは大日如来(毘盧遮那仏)を指す。
金剛界曼荼羅は即身成仏へのマニュアル即ち「五相成身観(ごじょうじょうしんかん)」を図形化したもので空と唯識の統合を示していると言う、五相成身観とは ・通達菩提心 ・修菩提心 ・成金剛心 ・証金剛心 ・仏心円満 を言う(注7)。
日本の場合1463尊で描かれ九区分に分類されて画かれる事から九会曼荼羅とも言う、前述の初会金剛頂経を典拠として智慧の世界を顕し大日如来は智拳印を結ぶ。
九会の関連は向上門と向下門があり、向上門は降三世三昧耶会から逆時計回りに成身会へと修行の順位を示す、向下門(こうげもん)は成身会から降三世三昧耶会まで時計回りに教科順位を示している。
また壇の西側に掲げられる事から西曼荼羅とも言われる。 詳細は曼荼羅の金剛界編を参照 金剛頂経は曼荼羅、注10参照
金剛界に君臨する如来は五智如来と言い、智慧の佛である。
金剛界曼荼羅には異形が請来されており「五部心観」と天台宗が使用する「八十一尊曼荼羅」がある。
五部心観とは善無畏の「初会金剛頂経」に比較的忠実な曼荼羅で円珍が在唐中に恵果の孫弟子である唐密教の大家、青竜寺の法全(はつせん)師から授けられ円珍が自筆で奥書を認めた逸品があり三十七尊が鳥獣座の上に座し中尊は四印会が阿弥陀如来・一印会が金剛薩凱である。
また空海請来の八十一尊曼荼羅がある、金剛界の成身会を著しているが尊数と姿形が異なり四大明王が加わり81尊で構成されている、五仏も鳥獣上に座しており大日如来が獅子・阿閦如来が象・宝生如来が馬・無量寿如来が孔雀・不空成就如来が金翅鳥に座している。
九会は以下の様に成る(会とは集合を意味する)
1, 成身会―曼荼羅の根幹で中央の円を月輪(がちりん)と呼び五智如来、即ち1、大日如来を主尊として、・阿?如来(調伏) ・宝生如来(宝を生み出す) ・ 無量寿如来(智慧・慈悲) ・不空成就如来(願いの成就)に四波羅密・四親近(しんごん)菩薩を置き計37尊 ・周囲に賢劫の千佛 ・24天を配置し 1061尊で構成される。東寺では不空成就如来と釈迦如来を同尊と解釈しているが経典上の接点はない。