虚空尽き、衆生尽き、涅槃尽きなば、我が願いも尽きなん 虚空尽き、衆生尽き、涅槃尽きなば、我が願いも尽きなん [以下引用] 『性霊集』に見え、空海(767-822)の誓願として伝えられる言葉です。「虚空が尽きて、迷う人々が尽きて、すべての衆生が救済され尽きれば、私の誓願も尽きるであろう」という意味に理解されています。 大乗仏教の究極の目的はすべての衆生の救済にあります。果たしてその理想はいつ実現するのでしょうか。それが完全に成就するまで、この誓願は永く永く続くのです。 「虚空」とは地水火風の四大に存在場所を与える空間と理解できます。「衆生」は生きとし生けるもの、救済されるべきもの、しかしながら仏性を有するものとも言えます。「涅槃」とは安らいだ悟りの境地のことですが、大乗仏教では、無住処涅槃という考えがあります。生死の世界にもとどまらず、涅槃の世界にも入ってしまわない状態の涅槃です。その状態で全ての人々を救済しようと活動すること、それがすなはち菩薩の実践なのです。 それら「虚空」「衆生」「涅槃」がすべて残り無く尽き、無に帰してしまうということは、一体どのような世界なのでしょうか?