シンクロW杯:「水の女王」デデューの後継はロシアの20歳
 シンクロナイズド・スイミングのワールドカップ(W杯)が9月14~17日の4日間、横浜国際プールで開かれた。日本で27年ぶりの開催となったこの大会は、全種目をロシア勢が圧倒的強さで制覇。またスペインと日本の激しい銀メダル争いも話題となった。15日のソロ、16日のデュエットに登場した、各国選手の熱き戦いを写真で振り返る。【小座野容斉、写真も】

 15日のソロは、昨年の世界選手権で銀メダルのナタリア・イーシェンコ選手(ロシア)が優勝。テクニカルルーチン(TR)、フリールーチン(FR)ともに他を圧倒した。ヘマ・メングアル選手(スペイン)が2位。日本の鈴木絵美子選手(ミキハウス)は3位に入った。

 金メダルに輝いたイーシェンコ選手は弱冠20歳で、W杯初出場。水面から腰の下まで飛び出るほどの高さとパワーに、高い技術が融合した素晴らしい演技を見せた。FRでは審判全員が9・9点以上という高得点も納得できた。競技中の迫力あるメークと裏腹に、記者会見ではマスコットのぬいぐるみをもらってはしゃぐなど、少女のようなあどけない素顔ものぞかせた。

 対照的に、2位のメングアル選手は、29歳の「円熟」を感じさせる演技。柔らかい上体を生かし、豊かな表現力で大人の女性の色気をふんだんに盛り込み、鈴木を上回った。演技中にカメラマン席に向かって視線を送る余裕が印象深い。古豪復活を目指すアメリカのクリスティナ・ジョーンズ選手は、表情豊かな演技で4位に入った。

 上位入賞者以外で目を引いたのがマグダレナ・ブルナー選手(スイス)。引退した女王ビルジニー・デデュー (フランス)と同じように鼻栓をつけずに演技したのは、取材した2日間では彼女だけ。鼻すじの通った美しい横顔が一層際立っていた。

 16日のデュエットでは、04年アテネ五輪と昨年の世界選手権を制したアナスタシア・ダビドワ、アナスタシア・エルマコワ組(ロシア)が安定した演技で、02年の前回大会に続く連覇。2位のスペイン組は、ヘマ・メングアル選手のパートナーに、TRではアンドレア・フエンテス選手を投入する作戦が功を奏した。鈴木絵美子、原田早穂組(ミキハウス)は、得意のTRで得点を伸ばせなかったのが響き、3位に終わった。

 優勝したダビドワ選手とエルマコワ選手のデュエットは、強さも美しさも圧倒的。4年前のW杯チューリヒ大会での金メダルデビュー以来の無敗を守った。記者会見で「私たちは、楽勝と思ったことは一度もない」と笑顔で語ったダビドワ選手の吸い込まれるような美しい大きな瞳が印象的だった。スペイン組は前日に引き続き、大黒柱メングアル選手が成熟した女性美を表現し、鈴木選手・原田選手の日本ペアを上回った。4位はアメリカ、5位はカナダ。イタリア、ウクライナ、ギリシャもそれぞれの特徴を生かした演技で観客を魅了した。

 ▽ソロ(15日)

 (1)ナタリア・イーシェンコ(ロシア)98・750点(TR49・250、FR49・500)
  (2)ヘマ・メングアル(スペイン)97・550点(48・550、49・000)
  (3)鈴木絵美子(ミキハウス)96・850点(48・350、48・500)

  ▽デュエット(16日)

 (1)アナスタシア・ダビドワ、アナスタシア・エルマコワ(ロシア)98・900点(TR49・250、FR49・650)
  (2)ヘマ・メングアル、アンドレア・フエンテス=TR、パオラ・ティラドス=FR(スペイン)98・050点(48・950、49・100)
  (3)鈴木絵美子、原田早穂(ミキハウス)97・200点(48・450、48・750)