WBA世界ライトフライ級新王者の亀田興毅(19=協栄)が、大みそかに予定されている次戦で、フライ級に上げて2階級制覇に挑む可能性が浮上した。6日、東京・赤坂のTBSで取材に応じ、ランダエタ戦の苦戦に減量の影響があったことを初めて明かした。ライトフライ級の王座返上も視野に入れており、次戦から本来のフライ級に階級を戻して、一気に2階級制覇を狙うことになりそうだ。
なぜ、苦戦したのか。議論を呼んでいる2-1判定勝利から4日、神妙な表情で応じた興毅の脳裏には、原因がくっきりと浮かび上がっていた。
「1回は緊張、それ以降は減量やな。体脂肪が3%を切っとったし、パワーもなかった。来年はもう(ライトフライ級は)無理やで」。苦戦の原因を口にしたのは初めてだった。すでに3日の会見で協栄ジムの金平桂一郎会長(41)が階級変更を示唆していたが、本人も認めたことで、次戦は本来のフライ級で戦う可能性が高まった。
世界初挑戦は、プロ12戦目で初めてのライトフライ級(リミット48・9キロ)での試合だった。それまでの11戦はすべてフライ級(同50・8キロ)。「動きが悪かったな。フライ級の時はパワーがあったし、相手を押し込んでいけたのになあ」。まだ、体が成長している19歳。実は、3月のボウチャン戦から、世界前哨戦となった5月のファハルド戦までの2カ月で、体重が1キロもアップした。1・9キロの減量の苦しさは想像以上だった。
興毅の階級変更によって浮上するのが、世界王座の返上と、フライ級での世界挑戦だ。10月に予定していたノンタイトル戦は、ランダエタ戦のダメージを抜くため、キャンセルの可能性が高い。そうなると、次戦はTBSが大みそか恒例のレコード大賞を12月30日にずらし、放送枠を確保した12月31日が濃厚だ。
TBSとしては、裏番組には紅白歌合戦をはじめ強敵が控えるため、ここで世界戦を組みたい事情がある。階級変更後はノンタイトル戦を挟むのが普通だが、視聴率男の興毅でもノンタイトル戦では“苦戦”は免れない。2階級制覇挑戦なら視聴率も見込めるからだ。
協栄ジムは、WBC世界フライ級王者のポンサクレック・ウォンジョンカム(28=タイ)、WBA世界同級王者のロレンソ・パーラ(27=ベネズエラ)のいずれも交渉の窓口を確保している。名誉の回復、強さの証明、そして視聴率獲得。興毅の次戦は多くの意味を持つビッグマッチとなりそうだ。
≪アッコがセコンド志願≫歌手の和田アキ子が興毅の試合前の国歌独唱に名乗りを上げた。この日、TBSテレビの番組2つをはしごした興毅は「アッコにおまかせ!」で和田アキ子に初対面。ランダエタ戦の平均視聴率42・4%が、77年9月以降のボクシング中継では具志堅用高(協栄)の43・2%に次ぐ歴代2位だったことに「今度は抜いてよ。抜くためには、私が国歌独唱とビンタやな」と話し、歌だけでなくセコンドにまで立候補していた。興毅は7日に始動する。
2006年8月7日
