◇デコの恩返しVS輝く指揮者
◇ポルトガル
準決勝では、デコ、コスティーニャの両主力MFが死に物狂いになる。ともに決勝トーナメント1回戦のオランダ戦で2度の警告を受けて退場。イングランドとの準々決勝は出場停止処分となりチームに迷惑をかけたとの思いが強い。
特に相手FKの前にボールを持ち上げ、2度目の警告を受けて退場したデコの軽率な行為には弁解の余地がない。「すぐにチームに戻れることを期待している。そうなるということは、準決勝に進んでいることを意味するからだ」。願いがかなった今、プレーで仲間に恩返ししたいところだ。
デコは大会前の練習で左足首を痛め、まだ2試合、計156分しか出ていない。司令塔不在の影響もあってか、1次リーグ3連勝など無敗で勝ち上がってきたとはいえ、5試合で計6得点しか挙げていない。イングランド戦ではルーニーの退場による数的有利を生かせず、20本のシュートを放ちながら得点に結びつけられなかった。
本来であれば、攻撃の多くがデコを経由して組み立てられる。逆に言えば、復帰に伴う上積み要素はそれだけ大きい。
気がかりは、フィーゴが左足を痛め、イングランド戦途中で退いたこと。33歳のベテランはチームの精神的支柱でもあるだけに、スコラリ監督は「休養期間で回復することを祈る」と語っている。
◇フランス 1次リーグを1勝2分けと苦戦しながら通過。2位突破で唯一4強に残った。初戦でスイスと引き分け、勝ち星を挙げられなかったのもフランスだけで、いかに出足が鈍かったかが分かる。
ところが決勝トーナメントでは快勝の連続だ。1回戦で優勝候補のダークホース的存在だったスペインに逆転勝ちすると、準々決勝では最強の呼び声も高かったブラジルに会心の勝利。ドメネク監督は「もっとファンの笑顔を見られる日が来ると断言できる」と決勝進出をもくろんでいる。
好調の要因は、ジダンの復調にほかならない。スペイン戦ではゴールも決め、ブラジル戦では相手をかく乱するボールさばきを見せた。今大会限りの現役引退を表明している34歳が、最後の輝きを見せようと奮闘し、チームを勇気づけた。
大会前の限界説も一掃し、GKバルテズは「彼は我々の指揮者のようだった」と語る。顔ぶれ的には他の優勝候補とそん色はなかったものの、まとまりに欠けていた。それをジダンが求心力となって引き締めている。


