| W杯を巡るストーリー |
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| 2006年W杯はいよいよクライマックスへ。ベスト4ではお互いに手の内を知り尽くした欧州の強豪同士が激突することになった。(写真提供:Getty Images/AFLO) |
佳境を迎えたW杯 ベスト4はすべて欧州勢に ベスト4は欧州勢が独占した。迎えた準々決勝、ホスト国ドイツが地元の大観衆をバックにPK戦の末にアルゼンチンを下せば、98年大会決勝の再現となったブラジル対フランスの一戦は1対0とフランスに軍配が上がった。この結果、南米の強国アルゼンチンとブラジルがともに姿を消すことに。堅守速攻が持ち味の両チームの対戦、イタリア対ウクライナの一戦は“本家”イタリアが3対0と快勝。40年ぶりのW杯制覇に挑んだ母国イングランドは、PK戦の末にポルトガルに屈することとなった。
日本ではオシム・ジャパン誕生へのカウントダウンに注目が集まっているようだが、こちらドイツでは佳境を迎えたW杯が俄然盛り上がりを見せている。FIFAのブラッター会長の「雰囲気でも運営面でも過去最高の大会」との言葉にも異論なし。準々決勝がいちばん面白い、とはこれまでも度々耳した言葉だが、今大会も好カードが揃ったことで、どの試合も熱を帯びた激しい一戦となった。 グループリーグでは今大会屈指の攻撃サッカーを展開していたアルゼンチンだが、地元ドイツに先制しながらもPK戦の末に敗れ、ベスト8で涙を呑むことになった。しかし、それは決して不運などではなく、ペケルマン(すでに辞任を表明)のそのマイナス思考の采配が生んだ当然の結果ともいえるだろう。「リケルメは疲れていた。結果的には交代を焦り過ぎたが、交代とはその瞬間に判断しなければいけない」とはペケルマンの言葉だが、1点をリードしながらこれまで絶大な信頼を置いてきた司令塔リケルメを72分に下げ、守備的MFカンビアッソを投入した。残り時間を考え、逃げ切りを図りたかったのは分かるが、ベンチにはドイツが最も恐れていたメッシ、サビオラらが控えていただけに、残念に思えて仕方ない。 史上最強とも謳われた前回王者ブラジルは、フランスの前にまさかの敗戦。守備に不安を抱えるブラジルは、“カルテット・マジコ(魔法の4人衆)”のひとりアドリアーノを下げて、中盤にジュニーニョ・ペルナンブッカーノを加える策で、4-4-2から4-1-3-2へシステムを変更するなど、弱気な采配も響いてか、フランスの守備を崩せずにノーゴールに終わった。これで前回大会から続いていたW杯での連勝記録も11でストップ。らしくない守備的な戦いを見せたことやカフー、ロベルト・カルロスらのベテラン勢を重用したことなどについて、パレイラの采配には批判の声が募っている。一方で、今大会を最後に現役引退を表明しているフランスのジダンは、全盛期を彷彿とさせるプレーを見せ、勝利に貢献。翌日には多くの新聞の表紙を飾り、ドイツ「ビルト紙」の採点(1から6で1が最高評価)では、最高の1をマークした。ちなみに、敗れたブラジルのロナウジーニョは、いいところなく最低の6が与えられた。 また、イングランドはルーニーが相手DFリカルド・カルヴァリョを踏み付けたとし、62分に一発退場を強いられたほか、迎えたPK戦でも頼みのランパード、ジェラードがブレーキとなってしまい、実力を発揮し切れないままドイツをあとにすることに。批判はもちろん、大事な場面で愚行を働いた20歳のワンダーボーイに集中。これに対して、今大会を最後に退任するエリクソン監督は98年大会決勝トーナメント1回戦、対アルゼンチン戦(PK戦の末に敗戦)で退場となったベッカムを引き合いに出して、「ルーニーを過度に批判して(彼の才能を)殺してしまうのはやめて欲しい。彼はまだ20歳の若者。何よりこれからのインドランドに絶対に必要な選手である。それはみなも分かっているのではないだろうか」と庇い、メディアやサポーターからのルーニーバッシングを警戒した。 ちなみに、イングランドの主将ベッカムはこの敗戦を受けて、キャプテンマークを手放すことを明らかにしたものの、代表選手としてのプレーは続行する意向を示している。 残った4チーム(ドイツ対イタリア、ポルトガル対フランス)は、どこも甲乙付けがたい実力を誇っているだけに、以降の勝ち上がりを予測するのは困難を極める。流れからいえば、ドイツとフランスにやや追い風が吹いているようにもみえるが、果たして。 |
