存在感が高まったメルセデス・ベンツのセダン系フラッグシップ「Sクラス」(2006年05月31日)
日本市場にもレクサスが参入し、高級車市場が何かと話題になる機会が多い。そうしたなか、高級ブランドとして揺るぎないポジションを堅持しているのがメルセデス・ベンツで、そのセダン系のフラッグシップであるのがこのSクラスだ。
最新型は昨年末、本国登場とほとんどタイムラグなく、日本市場にお目見えした。“新型Sクラス”というと、いつもまず気になるのがボディサイズだが、S500のカタログ数値は、全長×全幅×全高=5075×1870×1485mm、ホイールベースは3035mm。先代に対し全長+30mm、全幅+15mm、全高+40mm、ホイールベースは70mmの延長となっている。全体に拡大幅は小さめながら、全高とホイールベースにゆとりをもたせ、室内空間をよりたっぷり取ろうとする意図が読み取れる。
スタイルは“大きなCクラス”のようだったプレーンな先代に較べ、フェンダーアーチが強調されるなど、かなり主張を強めた。存在感が高まったせいか、後ろ姿のボリューム感など先々代Sクラスのそれに戻ったかのよう。車重はS500の標準状態で1950kgに達する。
搭載エンジンは新世代のDOHCでS500ではV8の5500ccを搭載。スペックは387ps/54.0kg-mと十二分で、これに7速ATが組み合わせられる。サスペンションはAIRマティックサスペンションと呼ばれる電子制御のセルフレベリング機構付きエアスプリング式。特徴的なのは“運転操作”が新しくなったことで、ライバルのBMW7シリーズのように、シフターはステアリングコラムのレバーとステアリングスポーク部裏のスイッチで行なう方式になった点。このことを頭に入れ、発進させることができれば、あとはもう、何の苦労もストレスもなくクルマが走ってくれる、そんな印象。レクサス(セルシオ)を意識した以降のSクラスは、日本車並の高い静粛性も手に入れたが、その上で、徹頭徹尾フラットな乗り味が保たれ、低速ではスムースに、高速では安定しきった走りっぷりを披露してくれる。どこから踏み込んでも余裕のある動力性能だが、決して暴力的な粗雑な反応は示さず、あくまでジェントルなのは、いかにもSクラスらしい説得力だ。