安心して乗れる対策を
都電追突事故
追突事故で大きくへこんだ試運転車両=北区で |
都内に唯一残った路面電車として、「ゆっくりだが味わいのある電車」と親しまれている都電荒川線で十三日、乗客ら二十六人が負傷した追突事故。同線では過去にも三回、追突事故が起きており、一九九二年の事故では運転士のブレーキ操作の誤りが原因だった。都交通局は前方車両に接近した場合、早めの減速を運転士に指示してきたが、今回は守られていなかった。沿線の利用客からは「原因をはっきりさせ対策をとってほしい」との声が上がった。 (吉田宇洋、小坂井文彦)
都交通局は同日午後に記者会見し、佐藤守交通部長らが謝罪した。
同局によると、試運転車両が絡んだ追突事故は今回が初めて。試運転は運行間隔がまばらな日中に行う。終電から始発までの夜間に行えば追突事故は起きないが、沿線には住宅が密集しており、急ブレーキ点検で騒音が出るためにできないという。
都電には列車自動停止装置(ATS)は装備されていないが、同局は「都電は時速四十キロ以下と低速で、ほとんどの区間で見通しがよいため問題はない」という姿勢だ。
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事故現場はJR京浜東北線の王子駅から直線距離で約一キロの閑静な住宅街。発生直後は近くの明治通りに、救急車や消防車が連なり、騒然とした雰囲気に包まれた。
近くに住む主婦(67)は「ゆっくりと走る都電でこんな事故があるとは思わなかった」と驚いた様子。別の主婦(66)は「普段からスピードもそんなに出さないのに何で追突するのか」といぶかしがっていた。
事故の影響で、王子駅前-荒川車庫前間は午後四時ごろまで運休し、両駅での折り返し運転が続いた。利用客はこの間の約二キロの距離を歩くか、バスに乗り換えることを余儀なくされた。王子駅前では都電職員が乗客に道順を説明し、おわびしていた。
病院に行くためタクシーに乗り換えようとしていた豊島区の主婦(72)は「のんびりとした都電の雰囲気が好きで、通院のために毎日のように利用している。対策を見直して、安心して乗れるようにしてほしい」と話していた。
