<ジャワ中部地震>世界遺産を解体再建へ 遺跡保存局

 【プランバナン(ジャワ島中部)佐藤賢二郎】インドネシア・ジャワ島中部の世界遺産「プランバナン遺跡群」(9世紀のヒンズー教寺院群)の中心遺跡で、地震で大きな被害を受けたロロ・ジョングラン寺院の修復問題について、ジョクジャカルタ特別州遺跡保存局は、被害の大きかった三つの堂について「解体して再建することが望ましい」との報告書を政府の文化観光省に出した。具体的な修復方法については、国連教育科学文化機関(ユネスコ)や政府などと協議のうえ、決定される。
 同局は5月31日から被害状況の調査を開始。石材が落下した個所や落下の恐れのある個所、傾斜している部分、堂の亀裂を調べた。報告書によると、落下した石材は大小約1000個、亀裂は約300カ所見つかった。特に被害の激しいブラフマー堂は、落下した尖塔(せんとう)部分が回廊をふさぎ、いたるところに亀裂が走っている。また、同寺院の六つの主な堂のうち、高さ47メートルのシバ、37メートルのブラフマー、27メートルのガルダの三つの土台部分が、地震で10~15センチほど沈下、上部が傾いている。
 同局はこれまでの調査の結果、亀裂を接着剤で埋めて修復し、復元するだけでは強度が十分でなく、倒壊する可能性があると分析。「いったん堂をすべて解体し、基礎部分から作り直すことが望ましい」との報告書をまとめ、ジャカルタの文化観光省に送った。
 三つの堂の傾斜している部分を含め、倒壊の恐れがある最上部を撤去する。その後、一つずつ順番にすべて解体し、再建を繰り返す。この方法だと、完了まで最低でも10年はかかるという。
 ユネスコの調査団は7日に現地入り。遺跡保存局の報告書などを元に、派遣された考古学者や地質学者、建築学者らが再調査を実施し、修復方法が決定される見通しだ。
 考古学者のヘルニ遺跡保存局事務局長は「ロロ・ジョングラン寺院だけでなく、プランバナン遺跡は人類共通の貴重な文化遺産だ。予算の制限はあるが、きちんと解体して完全な形に修復したい」と話している。