インテリジェンスの業界レポート

日本の産業を変えていくセンサーネットワーク
各種センサーをネットワーク化し、高度な情報収集とそのフィードバックを可能にするシステムをセンサーネットワークと呼ぶ。ユビキタスという言葉もすっかり定着した感があるが、これはその具体例の1つだ。


泥棒除けから家畜の管理まで
農業用のセンサーネットワークを使ったユニットはフィールドサーバと呼ばれ、無線LAN等で接続、カメラや温度計などの各種センサで田畑の様子を監視したり、温室であれば温度調整や水の撒布などを行うこともできる。田畑のモニタリングは、生育状況のチェックとともに作物泥棒を防ぐ意味合いもある。太陽電池を内蔵で、配線などの労力をかけずに敷設できるタイプも多い。

畜産分野では、放牧牛の管理にセンサーネットワークが利用され、個体識別や位置情報を集積したり、妊娠した牛が出産に際して体温が急低下することを利用し、牛の体内に温度センサーを設置、ネットワークを通して、出産のタイミングを的確に知ることができるシステムも実験中だ。

漁業では、衛星を使った海面温度のデータの利用や養殖に際して起きる魚や貝の死亡の原因をネットワーク化されたプローブを使って探るなどの試みが行われている。

出荷時からのトレーサビリティも行われ始めており、生産から消費まですべての流れが、生産者から流通業者、消費者まで開示され、共有され始めている。これは食の安全はもちろん、流通上の無駄を省き、健全な競争を阻害する情報の隠匿を防ぐことができるだろう。それは結果的に、消費者の意識を変え、経済の在り方も変えてしまうに違いない。