<耐震偽造>浅沼建築士は疑惑否定 道は元請けなども調査へ
札幌市のマンションの耐震データ偽造問題で、北海道は33棟の構造計算書の改ざんを認めた浅沼良一2級建築士(47)を管理監督する立場にあった1級建築士や元請けの責任を重くみて、元請けなどについても建築基準法違反な
どがないか、調査する方針を固めた。浅沼建築士は7日、札幌市役所で会見し、「深くおわびする」と謝罪したが、「耐震性はあり、偽装していない。保有水
平耐力(耐震強度)の計算上の問題」と述べ、偽造の疑いがあると発表した市に反論した。
道の調査の焦点は、元請けと浅沼建築士との具体的なかかわりだ。建築士法では高層マンションなどの複雑な建築物の設計には1級建築士の資格がいる。2級建築士が設計に携わる場合は1級建築士が管理しなければならない。
元請け事務所が浅沼建築士に設計を丸投げしていれば、浅沼建築士は無資格設計したことになり、建築士、事務所とも建築士法違反に問われる可能性がある。
会見で浅沼建築士はこの点について、「元請けの事務所があり、意匠事務所と共同で作業している。構造の分野だけお手伝いしたので良いと思った」と同法違反にはあたらないとの見方を示した。
浅沼建築士は自らの構造計算の正当性について、耐震壁があれば安全との「信念」を持っていると主張。「耐震壁がたくさん存在するので耐震性に優れている。建物の強度が足りないとの認識はない。耐震強度0.5が1.0になるのは不可能だが0.9が1.0になるのは(計算の仕方で)ありうる」と述べた。
データを変えたのは保有水平耐力が必要なマンション。コスト削減や手抜きではなく、「計算上の解釈の違いで意図しない結果が出たと思った。自分の思
っている保有水平耐力の値を出して、NG(間違い)でないよう計算し直す。繰り返し計算するなか、良いところばかり見て、結果的にいろいろな出力結果のデータが混在した」と説明した。
「保有水平耐力の計算を理解していなかった」と反省したものの、耐震壁の信念は「超高層の建物なら別だが、今も正しいと思っている」と繰り返した。住民
に対しては「安全を数値で立証しないと理解していただけないと思う。安心できるよう、再検査で基準を満たすとの回答を持っていく」と述べた。
設計事務所を登録せず、休眠中の不動産会社の名義を使っていることを明らかにし、「登録しなければならないことを知らなかった」と釈明した。【柴沼均】
(毎日新聞) - 3月7日23時52分更新
|