法隆寺・金堂須弥壇に亀裂、国宝の多聞天像を緊急避難

ひび割れが生じた金堂須弥壇の北東隅。周囲
を板で囲っている
 奈良県斑鳩町の法隆寺の金堂(国宝)で、本尊の釈迦三尊像など飛鳥から鎌倉にかけての国宝や重文などの仏像9体が安置されている須弥壇(しゅみだん)の表面の漆喰((しっくい)に数センチから数十センチの亀裂が何本も入っていることがわかった。
 北東隅では下の土台が見える部分もあり、寺は万一の事態に備えて、この付近にあった四天王像(国宝)の一つ、多聞天像を別の場所に移す事態に。亀裂が起きた理由は不明だが、土台そのものが損傷している可能性もあり、寺は「修復を急ぎ、原因を究明したい」としている。
 須弥壇は金堂の中央付近にあり、東西約8・7メートル、南北約5・4メートル、高さ約57センチの土壇。1949~54年の大修理の際、破損した部分を切り崩して築き直し、表面に漆喰を塗って修復した。
 以前から、小さな亀裂はみられたというが、昨年になって、増加していることが判明。最もひどい北東隅では、縦と横のひび割れが交わり、漆喰が完全に割れて指先ほどの破片になっている。寺は、側面を板で囲って補強する応急処置を施したが、万一に備え、昨秋、多聞天像を宝庫に“緊急避難”した。
 金堂は普段公開されているが、北東隅は見学場所から遠く、参拝者には亀裂は見えにくい。
 古谷正覚執事長は「調査の結果、土台にも亀裂が入っていた場合は、本格的な修理も検討したい」としている。



[読売新聞社:2006年02月27日14時32分