本を読んで、いいなと思った箇所のメモ

「決めて断つ ぶれないために大切なこと」黒田博樹

・周りのレベルが高すぎて、この環境の中でなんとか3年間をやり通す、それで精一杯だった上宮高校時代は、勝ち負け、というレベルではなかった。しかし、その高いレベルが、環境が変わった次のステップでは、自信ともなり、気持ちの切り替えに役立った。つまり、自分にとってはつらかった経験が、時間が経ち環境が変わったことで大きな財産になっていたのだから人生は分からない。
 以来、僕は「しんどい」ことでも、それをネガティヴに捉えることはやめようと思えるようになった。
 また、環境が変わるというのは大きなチャンスになりえる、それも学んだ。

・カープとは、そういう球団なのだ。足を運び、姿勢を理解してもらう。カープ的なアプローチというものがあるとすれば、この苑田さんのやり方こそがそれだった。僕はその姿勢に、心を打たれた。

・あまり、人の言葉を鵜呑みにしていると、裏切られたときが怖い

・難しいと思ったのは、選択肢は2通り、3通りと用意されているのだが、どれが正解かはまったく分からないことで、しかもひとつの道しか選べない。
 思うに、ひとつの道を選ぶには徹底的に考え抜くことが必要だ。それが正解とは限らないわけだが、それでも自分で決めた以上、「あれだけ考えたのだから、これが正解だ」と思わなければやっていられなくなる。
 いや、むしろ自分の選んだ道が「正解」となるように自分で努力することが大切なのではないかと思う。

・自信というものは人から与えられるものではなくて、自分が地道に積み重ねてきたことで得られるものだ

・「本物」が多いせいだろうか、ヤンキースのクラブハウスには落ち着いた雰囲気がある。気分の浮き沈みが少ないというか、感情の抑制が効いていて、気持ちの安定度が高い

・伝統にあぐらをかくわけではなく、組織としての柔軟性も兼ね備えている

・真剣に悩むこと。悩んで、悩んで出した答えが正解だと思うよ

・大事なものは何か、それは自分の心にある…

・芯の強さ、理不尽なことさえも受け止める強さ

・シーズンのしんどさは想像以上で、その感情に流されてしまえばどうしても「引退」を考えてしまう。実際、年齢を重ねていくにつれそれは現実的な選択肢のように感じられるようになっていた。
 しっかりと考える時間を作って、感情に流されることなく「また野球をやりたい」と思えたときにこそ、将来のことを考える。そんなスイッチが入るまで待つことが重要だった。

・しんどさを身にしみて感じているからこそ、40歳になってまた同じことをやる「難しさ」が見え過ぎていた。

・自分の判断材料として、日本に帰ったほうが今まで経験したことがない昂揚感だとか、気持ちの高ぶりが感じられるのではないかと想像したのである。
 それは、カープに復帰することでプロフェッショナルとして、選手としてもうワンランク上のレベルにいけるのではないか、という思いだった。

・僕だって、もちろんお金は欲しい。少ないよりも、多いほうがいい。ただ、そうやってしっかりと評価してもらえているのだから、最終的に、それを手にするかどうかより、自分がプロフェッショナルとしてどういう思いでプレーできるのかという「気持ち」のほうが大切だった。
 しんどくて、まだ楽しいとは感じられない野球という仕事に駆り立ててくれるもの。そのモチベーションを与えてくれるのは、お金よりも、自分がどんな気持ちでマウンドに上がるか、そのほうが大切だった。