化粧品には、安全性が求められます。特に最近は敏感肌の方が急増しています。
そのせいか世の中の化粧品には「無添加」という言葉が多用されています。
どうも、一般的に「無添加」=「安全」と考えられているようですが、本当に無添加化
粧品は安全なんでしょうか?
そもそも、「無添加」ってどういう意味なんでしょうか?
無添加とは、読んで字のとおり添加されていない、つまり、「配合されていない」と
いうことです。
だから、「香料無添加化粧品」とか「着色料無添加化粧品」って書いてあれば意味も
わかります。香料や着色料が入っていない商品ということです。
でも、多いですよね。「無添加化粧品」としか書かれていない広告や宣伝。
「無添加化粧品」だけ書かれると、何も配合されていない化粧品ということになって
います。「この化粧品は何も配合されてませんよ。」とわざわざ宣伝しているような
ものです。
でも、無添加の意味を知らない人は、安全な化粧品と思い込んでしまうんですよね。
以前の「無添加化粧品」と言えば、表示指定成分を配合していないものでした。
だからちゃんとしたメーカーは「表示指定成分無添加化粧品」と表示していましたが
「無添加化粧品」としか表示しないところも多くありました。
そして、お客さんに聞かれて初めて、「指定成分が無添加です。」と答えるのです。
もしくは虫眼鏡で見なければ分からないほどの小さな文字で、パンフレットのスミに
「表示指定成分無添加」と書いてあります。
今は表示指定成分そのものがなくなり、全成分表示となりました。
だから、私は、 「これで、無添加化粧品という誤解を招く表示も減るかなあ。」と
思っていたのですが、相変わらず 「無添加化粧品」は世の中にあふれています。
私のところにも、「無添加化粧品をつくってほしい」という意味の分からない依頼が、
たびたび来ます。そのたびに説明を繰り返さなければなりません。
どうも、こう言った化粧品メーカーは「無添加化粧品」と言えば流行りだから売れると
勘違いしているようです。
ひどいメーカーになると、わざとお客さんに誤解させるような広告宣伝をしている、
メーカーもあります。もちろん、こういった事は、薬事法で禁止されています。
なのに、いっこうに減りません。本当に不思議です。
化粧品選びをされる際、「無添加化粧品」という言葉を前面に出して、何が無添加
なのか?が分かりにくい、誤解を招く表現を多用しているメーカーは、避けたほうが
いいと思います。
本当に化粧品の開発に携わっていれば、こんな宣伝は恥ずかしくてできません。
無添加化粧品=安全ではありません。ある原料が配合されていないだけです。
無添加が安全性を保障するわけではありません。まぎらわしい広告に惑わされないで
下さい。
だから私達は、(当たり前のことですが)お客さんが誤解するような化粧品は作らない
と決めました。
http://www.d4.dion.ne.jp/~h.abe/
無添加商品の取り扱い店