
怪獣兄はオレンジ色のナイロンのロープを拾ってきた。
弟は彼の動きを凝視した。
流木にロープを結びつける兄。
なかなか結ぶことができない。
いちゃもんをつける弟。「にいちゃん、できないよ。それ。」
母とかなずは何を作ろうとしているか・・・予感した。
たぶん、「コンブを干す干し台」。
大人たちは、引いた・・・。
だがプロジェクトは進む。いや、止まらない。
怪獣たちの情熱はもはや海ではなく、コンブに注がれているのは明らかだ。
試行錯誤が続いた。コンブを干せば倒れる働きの悪い支柱に大人たちは
苦笑した。
怪獣の挑戦は続いた。
しばらくたち、「ねえ、そこ!押さえて」と、怪獣兄
支柱を持っていろと?!
大人たちは絶句した。
「いいかげんにせー!!!」
その後、なんとか完成。コンブを干すことができたらしいが、
家で引き続き干したところ、
朝からの豪雨にあたってしまい、残念ながらそのまま畑の肥やしになった。
怪獣たちは、新たなコンブプロジェクトに向けて、
進むことだろう・・・。
