自信家の中学男子が突然不登校に!そんな子がなぜ急にと不思議に思いますよね?実はそこには、発達凸凹キッズ特有の「認知のズレ」が関係しているんです!この「認知のズレ」を解消してお子さんが過ごしやすくなるお家サポートをご紹介します!
目次
1.自信家なのになぜ不登校になるのか?
2.不登校になった経緯とそれまでの息子
3.認知のずれを修正するおうちサポート
1.自信家なのになぜ不登校になるのか?
自信家で何でも器用にこなす優等生タイプのお子さんはいませんか?器用にこなせているし、自分でも自信をもって学校で過ごしているので安心。そう思って油断してはいけません。
そんなお子さんの中にも、発達凸凹によって、自己理解がしにくいお子さんがいます。自分を理解するというのは実は簡単ではありません。
その中でも、発達に凸凹があると、感情系が育ちにくく、自分の中で起こる感情を把握できなかったり、そのせいで喜怒哀楽を正しく表現できないということもあります。
発達障害のお子さんの中でも、尊大型、積極奇異型と呼ばれる子どもたちは自信家でありながら対人関係のトラブルを抱えやすいタイプのお子さんです。
尊大型とは、自分の主張を強調して周りの人に言うことを聞かせようとする傾向があります。学力が高いタイプで、学校の先生からの信頼も得ていたりします。お家の中だけで尊大に振舞うお子さんもいるようです。
関わり方が一方的で、強い態度に出ることで思い通りにいく体験をしたことで、よりその行動が強化されることもあります。
また、積極奇異型といって、人が大好きなのはいいのですが距離が近すぎたり、自分の興味のあることを一方的に話したりすることで周りを巻き込もうとするタイプのお子さんです。
いずれのお子さんも、特に他者との関係性の中で自分を理解を進めていくということができないので、コミュニケーションが一方的になりやすくトラブルを抱えがちです。
「お友だちと仲良くしたい」という思いはあるのですが、その一方でうまくいかないことに自信を失ったり、ストレスを抱えてしまい、学校に通えなくなるということが起こるのです。
2.不登校になった経緯とそれまでの息子
我が家の息子は、幼少期から好奇心旺盛で目をキラキラさせて自然の中で遊ぶ元気な子どもでした。図鑑や本を読んで、実際に色々経験したがるような子です。
集団で遊ぶことは好みませんでしたが、特に大きなトラブルを起こすことなく、幼稚園時代を終えました。
小学校の頃は、先生が知らないようなことまで知っているので、授業の終わりには必ず先生から補足事項はないかたずねられていたようです。
この時も、仲のいいお友だちはごく少数でしたが、時々トラブルの報告があるものの、特に重大な問題だという認識はありませんでした。
自分で志望校を決めて臨んだ中学受験で志望校に合格し、待望の中学生活を送るはずでした。
県下でも難しい学習内容を扱い、やる気に満ちた生徒たちの多い中、自信家の息子も意気揚々と過ごしているようにみえました。
しかし、1学期の途中から、少しずつ体調不良を訴えるようになりました。
腹痛と頭痛で1週間ほど欠席し、その後もお友だちとのトラブルでストレスを抱える事件がありました。それでも、自信家の側面は維持したまま通い続けていました。
そんな中、「みんなの声がうるさくて授業に集中できない」「俺は同級生と一緒に高校受験はしないと思う」と言い出しました。私は冗談かと思い、その場は笑ってやり過ごしました。
しかしそこから半年後、起立性調節障害になり、不登校生活が始まったのです。
息子はお友だちが大好きで自分から積極的に関わるタイプです。これまでトラブルになったお友だちのことすら悪くいったことがない子でした。
しかし、息子はお友だちのことを嫌いになっている様子がありました。きっと、自信家だけど自己理解が追い付いていないために、お友だちに受け入れられない経験を学校で積んでいたんだと思います。
このように、子どもは訳も分からず失敗する体験を積んでいることがあります。では、大人はどのように対処したらいいのでしょう?
3.認知のずれを修正するおうちサポート
自信家で人が大好きなお子さんが、突然体調不良や不登校になったら、どのようにサポートしてあげたらいいのでしょう?
学校の友達関係には、正直お父さんお母さんであっても介入できないと思いますよね。
でも、違うんです!まずはお家で「認知のズレ」を解消してあげることができるんです。それには、普段からの親子関係が大事。信頼できるお父さんお母さんとなら、コミュニケーションを通して、自己理解を深めていくことができるんです。
まずは学校で失った自信を取り戻しましょう。その際に、肯定的な声かけをしていきますが、ここで疑問に浮かぶのは「自信家の子どもをさらにほめてしまっては、正しい自己理解を促せないのではないか?」ということ。
でも、大丈夫なんです。少しだけ注意点はありますが、発達科学コミュニケーションの技法で、きちんと効果的なほめ方ができるんです。
こういった自信家のお子さんに対して「ほめ」を発動する際は、「天才!」「さすが!」など過剰に褒めないことです。現状をそのままほめてあげてください。そうすると、お父さんお母さんの言葉で、「ここまではできている」という現状認識ができるようになります。
そのうえで、自身の感情や体調に注意が向く会話をしていってあげましょう。他者に対して一方的になるのは、自己理解が足りていないからなんです。
よく「相手の気持ちを考えなさい」「自分がされて嫌なことは相手にもしない」といいますが、そもそも自分の気持ちも理解できていないので、他者の気持ちなど理解できるはずもありません。
ですので、まずは自分の気持ちを理解するところから始めるんです。感情を作るのは、入ってきた感覚の刺激に対する「快」「不快」がベースになります。ここをまず自分で理解できるようになりましょう。
「この曲を聴くとモチベーションが上がる」
「このにおいを嗅ぐと、リラックスする」
など、お子さんと一緒にお母さんもご自身の五感を喜ばせる方法を知っておくのはいいことです。五感を刺激するものに反応することから始めてみると、取り掛かりやすいでしょう。
また、時々、強い態度で周囲を動かそうとするお子さんがいらっしゃいますが
そういった場合は、ディスタンシングという技法を使います。
お子さんにとっては、お父さんお母さんの注目がご褒美になっていることがあります。ですので、強く要求してきたり、かんしゃくを起こすことで注目を集めようとすることがあるんです。
そんな時は、一旦スルーし反応しないようにします。そのあとで、強く主張したり、かんしゃくを起こしたりすることが落ち着けば、その時に初めて反応してあげてください。
「よく自分を落ち着かせたね。」
「落ち着くのを待ってたよ、どうしたの?」
と、良い行動が出たときにほめて反応してあげましょう。それがお子さんにとってごほうびとなって、いい行動がだんだん増えていきます。
このように、自信家のお子さんの「等身大」の自信を取りもどして、学校で大好きなお友だちと楽しく過ごせるようにしてあげられたらいいですよね?
お子さんと一緒に五感を楽しみながら、自己理解を深めるサポートをしてみませんか?
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最後までお読みくださりありがとうございました。
発達科学コミュニケーション
大下真世