愛想笑いばかりしている、そんなことをお家で話すお子さんはいませんか?お家でなんとなく話していることもお子さんにとっては大きな悩みであることがあります。問題が大きくなる前に、お家で解決してあげませんか? 

 

 

目次

1.愛想笑いばかりしてしまう

           お子さんの特徴

2.放っておかない方がいい理由

3.お家でできるサポート!

 

 

1.愛想笑いばかりしてしまうお子さんの特徴

「学校で毎日、愛想笑いばかりしている」そんな悩みを打ち明けるお子さんはいませんか?

 

何気なく話すお子さんの言葉をあまり重く受け止めず、そのままにしておく方も多いと思います。ですが、空気を読みすぎるお子さんは、自分の悩みをそれとなく話して大人の反応を見ていることがあります。

 

本当は助けてほしいのに、大人に迷惑をかけたくない思いで「言えない」ことがあるんです。

 

こういったお子さんの中には、HSC(繊細さん)と呼ばれるお子さんや、ギフテッドタイプのお子さん、ASD(自閉症スペクトラム症)のお子さんなどがいらっしゃいます。

 

繊細タイプのお子さんは、言うまでもなく、人の気持ちや期待に敏感です。

 

ASDタイプのお子さんは通常は「空気が読めない」というタイプのお子さんが多いのですが、中には「空気を読みすぎる」というお子さんもいます。

 

ギフテッドタイプのお子さんの場合、情動面の過度激動(共感力が高く感情移入も深い)があり、他者の気持ちに同一化してしまうことがあります。

 

このように、空気を読みすぎて、周囲の期待に敏感なお子さんが「愛想笑いばかりしている」状態になりやすいと言えます。

 

さらには、発達の凸凹がある場合は、お子さん自身の自己理解が低いことも大きく影響しています。

 

自己理解、つまり自分の体調や気持ちに気づく能力が低いと、他者の言葉や行動に振り回されてストレスがたまり、自分でSOSのサインを出しにくいという特徴があります。

 

では、このようにお子さんに「愛想笑いばかりしている」と言われたとき、大人はどう反応したらいいのでしょう?愛想笑いくらい、とそのままにしておいていいのでしょうか。

 

2.放っておかない方がいい理由

 

実は放っておかない方がいいのです。なぜかというと、こういったタイプのお子さんは、そのままにしておくと他者へ合わせすぎたままストレスをどんどん貯めていきがちです。

 

それなのに、自分の感情や体調をキャッチしにくく、自分の心や体のSOSを感じとることができません。初期段階で対策できたら、解決も早いでしょうが、往々にしてこじらせてしまうことが多いのです。

 

ですから、結果として大人が気づくのは、心身症や不登校などの問題が起きてからということになります。

 

我が家の息子もそうでした。厳しい中学校に入学し、すっかり過剰適応してしまったのです。校風にあう生徒像を演じようとしていたのが私から見ても分かりました。また、家でも、年長者として、きょうだいに手がかかる私たち親に迷惑をかけまいとしていたように思います。

 

きょうだいが生まれた2歳のころから少しずつ我慢することを覚えて過ごしてきたのだと思います。その上、自分の気持ちに気づくことが苦手な側面があり、自分の気持ちよりも他者の価値観に合わせることを自然とやってしまっていたのでしょう。

 

息子は自分の体調の変化があっても無理をすることが多かったですから、ヘルプも出せずに不登校になってしまったのでした。

 

このように、こじらせてからでは回復に時間がかかり、過剰適応は思春期以降に発覚しやすいという特徴から、進路にも直結する問題になりがちです。

 

お子さんが何か伝えてきたときは、じっくりと話をきいて、対策をとるのが得策です。ではどういう対策ができるのでしょうか?

 

3.お家でできるサポート!

 

お家では、自分が好きなことに取り組む時間を持ちましょう。学校で人に合わせすぎて疲れているお子さんです。家でもお父さんお母さんの期待に沿うように行動してしまっている可能性も。

 

お家では要求量をぐっと減らして、お子さんがリラックスして過ごせるようにしてください。

 

中でも「好きなこと」は取りくみやすく、お子さんも自分の気持ちをリフレッシュできます。

 

また、自分の好きなことは得意なことでもあるので、それを通して自信になりやすいという特徴もあります。

 

また、自分の気持ちがわからないお子さんもいます。ですので、自分の気持ちに気づけるように、感情系の脳部位を育てるのがいいんです。

 

まずは、生活の中で簡単な2択の質問で選ぶ経験をさせてあげましょう。

 

「近くのスーパーに行くけど、一緒に行く?お留守番する?」

「朝ご飯はパンにする?ごはんにする?」

 

などどちらを選んでもOKなものを選択させて、最後はかならず肯定してください。自分が選んだものが正解であるという経験が、お子さんが自分で選ぶということへのハードルを低くします。

 

また、お子さんの感情系へのアプローチとして、お母さんとの間で感情や体調を話題にした会話をするのも有効です。

 

お母さんがまずはお手本を見せ、

 

「今日はおいしいケーキをもらったから、嬉しい!」

「昨日は公園で走り回ったから足が痛いわ」

 

など感情や体調にまつわる会話をしてあげましょう。そのうちに、お子さんへも質問をしたりして、意識がむくようにしてあげてください。

 

また、マッサージやヨガなどを一緒にして感想を言い合うのもお勧めです。

 

「ここが特に気持ちがいい」

「このポーズはここが痛いよね」

 

など、実際に体や気持ちの変化を一緒に体感しながら教えてあげるのも効果的です。

 

このようなサポートをしていると少しずつ自分の意見を言えるようになったり、人に合わせすぎることが減ったりしてきます。

 

自分の軸を取りもどすと、お子さんは自分の意思で人生を選択しながら、生き生きと過ごせるようになってきます。

 

是非お子さんが少しでも自分らしく豊かな人生を送れるように、おうちでサポートしてみませんか?

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最後までお読みくださりありがとうございました。

 

発達科学コミュニケーション

大下真世