目次
1.空気を読みすぎるギフテッドの秘密
2.ギフテッド女子の過剰適応とは
3.ギフテッドの子どもが過剰適応を
起こさないためのおうちサポート!
1.空気を読みすぎるギフテッドの秘密
みなさんはギフテッドと呼ばれる方々をご存知ですか?
一般的にIQ130以上の知能の高い方々のことですが、IQでは測れない芸術系ギフテッドやスポーツ系のギフテッドなど、様々なタイプがいます。
全ての要素で高い数値を示す英才型と呼ばれる方もいれば、発達に凸凹がある2Eと呼ばれる方も。
2Eタイプの方は、得意な脳部位と苦手で未熟な脳部位(発達障害)を併せ持っていて、その凸凹の大きさが生きづらさにつながっていると言われています。
ギフテッドのお子さんの特徴として、過度激怒というものがあります。
過度激動というのは、多くの人が自然に受け入れることができることに対して、過度に反応してしまうこと。
その中の情動における部分が、過度に反応してしまい、他者との同一化を起こしてしまうことがあります。
他人の気持ちが分かりすぎて、自分もその他者と同じように感じ取ってしまうことがあります。
人の気持ちが分かりすぎるだけに、それが大好きな人であればあるほど、過剰適応してしまうのです。
時はゴールデンウィーク。久しぶりに会ったギフテッドの姪っ子。アメリカから日本に帰国して数ヶ月。
そんな彼女のことが心配だとお母さんから相談を受けました。
2.ギフテッド女子の過剰適応とは
彼女はちょうど思春期にあたる年齢です。
優しくて、賢くて、いつも周囲の反応に敏感です。こちらが気をつけて見ていないと、周囲の反応を気にして動いていることに気がつかないくらい、ごく自然にそれをやってのけるほどです。
周囲からの評判もよく、いつもヤンチャな妹ちゃんのお世話をかいがいしくしています。
そんな姪っ子が、最近こんなことを言うそうです。
「いつも学校で愛想笑いしかしていない」
「今日も愛想笑いして、疲れた」
などです。毎日夕方になると吐き気や気分不良を訴え、本当に吐くことも。
また、一緒にお買い物に行くと、なかなか決められない一面も。
まさに、他者の気持ちが分かりすぎて、過剰適応しているのでしょう。
そして、自分の気持ちをキャッチできていないことも、それを助長させていると感じました。
私は、自分の長男が過剰適応して心身症になった過去から、その分野の対策について、お母さんにレクチャーしました。
では、どのように対策すればいいか、お伝えします!
3.ギフテッドの子どもが過剰適応を
起こさないためのおうちサポート!
ギフテッドのお子さんは、非常に高い知能を持ちながら、発達の未熟な部分もあります。
ですが、知能が高いがゆえに、未熟なところが隠されて見えにくくなっていることがあるんです。
発達に凸凹があるお子さんで発達が遅れがちになるものに「感情系」があります。
これは、自分の感情や体調を感じ取り(インプット)、「気持ち」としてアウトプットする部分。
自分の喜怒哀楽を生み出したり、自分を理解するのに欠かせない部位なんです。
ここが弱くて、他者の気持ちと一体化しすぎると、過剰適応が起こりやすくなります。
では、どうしたら、この脳部位を伸ばせるのでしょう?
それには、3ステップあります!
◆自己肯定感
これは、ギフテッドのお子さんだけでなく、全てのお子さんに欠かせないもの。
自信がある子は発達しやすいですし、自信がない子はなかなか行動につながらず、行動しにくいんです。
ですので、お家でしっかりほめてあげましょう。でも、ギフテッドのお子さんの「ほめ」には注意が必要!
完璧主義タイプの多いギフテッドのお子さんには成果を意識するような「ほめ」は封印してください。
例えば
「テストが100点ですごいね!」
「やっぱりできると思ってた」
などはプレッシャーになります。
こういうタイプのお子さんには、現状を認める声かけだけで充分です。
例えば
「お風呂の準備ができたね」
「今日も早く起きられたね」
などです。それだけで、充分なのです。
◆感情、体調を感じさせる会話
自分の感情や体調を意識させる会話をこころがけ、感情に意識が向くようにしましょう。
「今日はたくさん歩いて疲れたね」
「久しぶりに遊べて楽しかったね」
など、自分の気持ちにフォーカスすることが当たり前にできるようにコミュニケーションを通して教えてあげましょう。
◆自分の感情、体調を伝える練習
感じ取ることができたら、今度は伝える練習です。
日頃から何かと周囲に気を遣っているギフテッドの子ども。
お家では「何を言ってもOK」という雰囲気で接してあげてください。
そして、必ず最後は肯定しましょう。自分のどんな気持ちもOKだと思えたら、自分の感じることを素直に受け止めることができます。
ここさえ、しっかり整ったら、ストレスを溜め込みすぎて心身症や不登校になる前に対応が可能。
ぜひ、お子さんの「生きづらさ」をお家で解消して、より良い人生を歩めるようにサポートしてみませんか?
最後までお読みいただき、ありがとうございました♪
発達科学コミュニケーション
大下真世