過剰適応のお子さんって、一見なかなかわかりませんよね?それもそのはず、お家や学校では何に問題もないように見えるから。ですが、こじらせると思春期以降のうつや不登校につながりやすいんです。        

 

目次

1.過剰適応って何?過剰適応しやすい

           子どもの特徴とは?

2.過剰適応の息子が出していたサイン

3.過剰適応にならないための

            お家サポート!

 

1.過剰適応って何?過剰適応しやすい子どもの特徴とは?

 

 

過剰適応ってご存知ですか?過剰適応とは自分がどんな行動をするか決めるときに、環境や他者の価値観を優先させてしまい、それが度を越えている状態です。

 

自分でも気がつかなかったり、気がついていても構わずそうしてしまうことがあります。

 

一見「いい子」として問題がないかのように見えますが、無理に適応した状態だと、そのうちにうつ不登校などの問題となって現れます。ではなぜそんなことになるのでしょう?

 

こういうお子さんは自分の感情や体調に気づくということが苦手です。「適応」には「外的適応」「内的適応」とがあり、過剰適応のお子さんは「外的適応」が強く働いた状態です。

 

「内的適応(自分の心が安定し満足した状態になること)」に支障をきたしています。

 

このように過剰適応を起こしやすいお子さんにはある傾向があります。まず一つ目に「自己肯定感が低い」傾向です。

 

人は誰でも「承認されたい」欲求を持っています。しかし、自己肯定感が低いと周りに合わせることでそれを得ようとします。自分の考えに自信がないので環境や他者に合わせがちになるということです。

 

もう一つは育った環境です。親の「こうあるべき」が強すぎるとお子さんを常に頑張らせたり無理な要求をしている状態。こんな状態ではお子さんの頑張りもいつか限界を迎えます。

 

さらにいうと、発達障害が関わっているケース。ASD(自閉症スペクトラム症)のお子さんの強いこだわりやマイルール、「ゼロヒャク思考」などが自分自身を苦しめ、そこから抜け出せずに頑張りすぎてしまうのです。

 

このようにお子さんは見えにくい問題を抱えている一方で、見えにくいがゆえに気づくのも遅くなりがち。二次障害になる前にどうやって対処したらいいか分かりませんよね?

      

 

2.過剰適応の息子が出していたサイン

 

 

我が家の場合は中学校進学でそれが起こりました。それまで何の問題もなく過ごしていた小学生時代。自由な公立校で、楽しく過ごしていました。

 

ですが、受験をして厳しい中学校に行くと決まると親の私も気合が入ってしまいました。「息子をこの波に乗せなければ」と意気込んでしまったのです。

 

あからさまに「勉強しろ!」とか「このままじゃ希望の高校には行けないよ」などとは1度も言ったことはありませんが、子どもは親の気合をつぶさに感じ取っていましたし、もともと感受性の豊かな子ども。

 

周囲の言葉や態度で「外的適応」を強めていったのです。

 

中学校に参観に行くと、明らかに息子は家にいるときと違っていて驚いた半面、よく周囲から「立派になったね。」「中学生とは思えない」などとほめられるようになっていました。

 

ですがそんな無理もそう長くは続きませんでした。過剰適応が行き過ぎて、起立性調節障害になってしまったのです。

 

過剰適応は問題として見えにくいため、深刻化してしまいがち。もっと早く気づいていたら、息子にもつらい思いをさせずにすんだかもしれません。

 

そうなる前にできるサポートはなかったか、考えてみました。

     

 

3.過剰適応にならないためのお家サポート!

 

まずは何が大切かというと、それは自己肯定感。これがないとほかの人に合わせがちになるのは仕方のないことかもしれません。

 

発達科学コミュニケーションでは、肯定的声かけを学びます。「ほめ」を受け取りにくいお子さんにも使える方法で、始めるとすぐに自己肯定感が育っていくのが分かります。

 

また、「自分で決める練習」も大事です。「朝はパン?ごはん?」などちょっとした選択を毎日繰り返して自信にしてあげましょう。決めたことに対しては必ず肯定の言葉で締めたいので、「どちらを選んでもいい質問」を用意してください。

      

次に自分の感情や体調に気づくことも大切です。「今日は早起きして気持ちがいい!」や「今日は玉子がまた値上がりしてて本当に腹が立ったわ」など、口調や表情もしっかり交えて感情表現をしましょう。

 

マッサージやヨガを一緒にして、「どうだった?気持ちよかったね!」など体調や気持ちの変化に気づかせてあげることも有効です。

 

ASDのお子さんのこだわりやマイルールへの対処法はまたの機会にお話しします。

 

このような対策をしていればお子さんが本当の自分を再確認でき、外の世界に合わせすぎずに自分らしく豊かな感情で生活できるようになります。

 

是非お家でやってみてくださいね。

 

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最後までお読みくださりありがとうございました。

 

発達科学コミュニケーション

大下真世