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夕方の商店街は、買い物客で、大にぎわいです。人ごみのなかを、イジメン隊は、かきわけるように進みます。
めざすは、町内会の集会所にある物置小屋です。
イジメン隊は、商店街の横道へそれて、三軒隣の集会所の前までやってきました。
今日は、夜に町内会の集まりがあるので、もうすぐ、集会所カギをあけにだれかがやってきます。
「あっ、ママだ。かくれて!」
真人が叫ぶと、アタフタと三人とも物置小屋の裏にかくれました。
真人のお母さんは、薬屋さんの白衣のままやってきて、テーブルのまわりにざぶとんをしいたり、お茶の用意をすると、そそくさと出ていきました。
黒髪を肩の上でなびかせた、やせた後ろ姿が遠のいていくのを見ると、光司が、手をあげて、合図をしました。
「イジメンたい、しゅつどう!」
隊長に命じられるまま、ブラックこと琢磨は、集会所の玄関に入りカギをもってきました。
「ぼくがやる」
琢磨からカギをうけとると、隊長の光司は、物置小屋のカギあなにカギをさしこみました。
ところが、カギはあきません。
光司は何度もカギをまわしてみました。でもやっぱり、びくともしません。
「う~ん、てきもかなり、てごわいぞ、イジメンたいピンチ」
光司が、力つきたような顔で、ふりむきました。
「たいちょう、ぼくがやります!」
ゴールドこと真人が、手をあげ、光司からカギを受け取り、しゃがんで、カギあなをのぞきこみました。
「うわぁ。まっくらだ」
そう言いながら、真人はカギをさしこんで、まわしました。
カチャリ。
「たいちょう、びっくり、あきました。」
真人が、信じられないという顔つきで、光司をみました。
「な~んだ。まわすのはんたいだったんだね」
ブラックこと琢磨が、プッと、ふきだしました。
物置小屋の片隅に置いてある袋の中には、昨年のクリスマス会の時に子供たちが着た小さなサンタクロースの衣装が、しまってありました。
三人は、それぞれ衣装を選ぶと、持ち帰りました。
そして、クリスマスイブの夜がやってきました。
〈続く〉
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