この通りの椰子の木の
懐(ふところ)深く立っていると
風が僕に
ささやいてくる


意地らしい照れた笑いが
そこら中 匂っている


海底に潜む一艘(いっそう)の小舟にまで
おどけてしまう
風よ!
(始まったばかりの足跡が 新鮮な足音を立てる……)


優しさは
ほどけてゆく


いちめんの小さな貝のうちに
しまわれてゆく