【ジョルディール山を降りる】




キリマ山の頂きで、大きく深呼吸するジョルディール。


「う~ん」


背伸びをすると、背中が空に触れているようで、とても気持ちが良くなります。

太陽の輝きが、ジョルディールの心をくすぐります。


すると突然、ジョルディールの心が、ポワンと宙に浮かび上がりました。


オレンジ色に輝く球(たま)。


これは、たましいと呼んだ方が良いのかもしれませんね。


オレンジ色の球は、すぐに小鳥の姿に変わり、空に向けて飛び立ちました。


ジョルディールが、歯と歯の間を吹き抜けていく風の音を聞いているわずかな時間に、小鳥は、山を降りて、ジョルディールの住む沼を探してきてくれました。


「なんて便利なんだろう!」


ようやく気がついたようです。


キリマの試練を乗り越えたことで、ジョルディールは、タマシイを自在に飛ばして、遠くの場所へ行ったり、遠くのものを見たりすることができるようになっていたのです。


住む沼が見つかってホッとしたジョルディールの頭に、ふと、あのもじゃもじゃなタテガミをしたライオンさんの顔が浮かびました。


「ライオンさんは、いまごろ何をしているかなあ」


無意識にジョルディールは、ライオンさんが住むサバンナの方角へ、【タマシイの小鳥】を飛ばしていました。


サバンナのあちこちを飛んでいるうちに、ついにライオンさんを見つけることができました。


驚いたことにライオンさんは、バオバブの木の下で、傷つき、動けなくなっていました。


どうやら、強いオスライオンと戦って、負けてしまったようです。


ジョルディールは、いてもたってもいられなくなりました。


傷ついたライオンさんをそのままにしておけば、きっと死んでしまうでしょう。


ジョルディールは、急いで、山を降りはじめました。



〈続く〉


★★★ワニのジョルディール24★★★