【輝くばかりの星の船】
★「おしゃれ」「お母さん」→マンモス白珊瑚の森に住む。おしゃれ金平糖ウミウシ。
★「いちご」→船形石珊瑚に住む「おしゃれ」の心友。いちごジャムウミウシ。
★「兄」→マンモス白珊瑚の森に住む14匹の魚たちの長男。青くて大きめの魚。過度の心配性の特徴あり。
★「妹」→マンモス白珊瑚の森に住む14匹の魚たちの末っ子。オレンジ色の小さな魚。しっかり者の性分。
海面にさざ波立つように、辺りの水が震えはじめる。
星明かりが降り注ぐ《星の船》も、乗っている「いちご」も小刻みに揺れる。
やまぬ歌声がどこからともなくこだましてきて、水の中で呼吸するように動き回る。
潮流に乗って流れたり、あるいは海面に飛び跳ね、ふたたび海中深く潜り込む。
あらゆる微小、細分、小流、渦、流線、伸縮、膨大、跳ね返し、回転、波、等の水のあらゆる姿態をなぞるように歌声は行き来していく。
「兄」も「妹」も、ただ呆然と、近づいてくる何かを待つしかないと思った。
ウミタマサマだなんて、「妹」には何なのか、ちっとも飲み込むことが出来ない。
そばにいた「兄」にしてもそうだ。ただ、どうしよう、と《星の船》の周りをぐるぐる回ることで精一杯なのだ。
おそらく……と、「妹」は考えはじめる。
ウミタマサマとは、さぞかしエライのだろう。
でも、エライって何なの?
例えばわたしよりエライのは、「お母さん」だわ。「お母さん」は、わたしを育ててくれたから。
それじゃ、「お母さん」よりエライのは?
たぶん、スーパーウミウシさんたちでしょう。
「お母さん」を育てたわけではないけど、「お母さん」を以前に助けたことがあるから。
それはすごいことなのだろう。
それよりももっとエライとしたら?
それは「いちご」さんでしょうか。
スーパーウミウシさんを育てたわけでもないし、助けたわけでもないけれど、みんなの知らないエライウミタマサマとお知り合いらしいし、誰も真似できないくらい歌がお上手ですもの。
それじゃ、「いちご」さんよりエライのがウミタマサマなのかしら……
「妹」が、一生懸命ウミタマサマのことを考えていたその時、辺りの歌声が急にやんだ。
シンと静まり返った海の底に浮かぶものがある。
目を開けることが出来ないほど、《星の船》に星明かりが一層強く降り注いでいる。
〈続く〉
★「おしゃれ」「お母さん」→マンモス白珊瑚の森に住む。おしゃれ金平糖ウミウシ。
★「いちご」→船形石珊瑚に住む「おしゃれ」の心友。いちごジャムウミウシ。
★「兄」→マンモス白珊瑚の森に住む14匹の魚たちの長男。青くて大きめの魚。過度の心配性の特徴あり。
★「妹」→マンモス白珊瑚の森に住む14匹の魚たちの末っ子。オレンジ色の小さな魚。しっかり者の性分。
海面にさざ波立つように、辺りの水が震えはじめる。
星明かりが降り注ぐ《星の船》も、乗っている「いちご」も小刻みに揺れる。
やまぬ歌声がどこからともなくこだましてきて、水の中で呼吸するように動き回る。
潮流に乗って流れたり、あるいは海面に飛び跳ね、ふたたび海中深く潜り込む。
あらゆる微小、細分、小流、渦、流線、伸縮、膨大、跳ね返し、回転、波、等の水のあらゆる姿態をなぞるように歌声は行き来していく。
「兄」も「妹」も、ただ呆然と、近づいてくる何かを待つしかないと思った。
ウミタマサマだなんて、「妹」には何なのか、ちっとも飲み込むことが出来ない。
そばにいた「兄」にしてもそうだ。ただ、どうしよう、と《星の船》の周りをぐるぐる回ることで精一杯なのだ。
おそらく……と、「妹」は考えはじめる。
ウミタマサマとは、さぞかしエライのだろう。
でも、エライって何なの?
例えばわたしよりエライのは、「お母さん」だわ。「お母さん」は、わたしを育ててくれたから。
それじゃ、「お母さん」よりエライのは?
たぶん、スーパーウミウシさんたちでしょう。
「お母さん」を育てたわけではないけど、「お母さん」を以前に助けたことがあるから。
それはすごいことなのだろう。
それよりももっとエライとしたら?
それは「いちご」さんでしょうか。
スーパーウミウシさんを育てたわけでもないし、助けたわけでもないけれど、みんなの知らないエライウミタマサマとお知り合いらしいし、誰も真似できないくらい歌がお上手ですもの。
それじゃ、「いちご」さんよりエライのがウミタマサマなのかしら……
「妹」が、一生懸命ウミタマサマのことを考えていたその時、辺りの歌声が急にやんだ。
シンと静まり返った海の底に浮かぶものがある。
目を開けることが出来ないほど、《星の船》に星明かりが一層強く降り注いでいる。
〈続く〉