朝日新聞の朝刊に,『ブロンディ』という,アメリカの家庭生活を描いた漫画が連載されたのは1949年1月1日から1951年4月15日までだそうで,その後は『サザエさん』になったそうである。

   私は長野の疎開先から1950年の4月に東京に戻ったのは中学3年生の時だった。その時から朝日新聞を見ることになったと思う。したがって,ちょうど1年ぐらいこの漫画を見ていたことになる。

   アメリカの男性は,エプロンをして皿洗いをはじめとして,日本なら女性の仕事と思われていることをしているのかと思った。

   その9年後アメリカで見たものはこれとは違っていた。正月にある家庭に招待された。親戚の者が大勢集まっていた。昼食後,男性たちはテレビの前に集まり,テレビでフットボールを観戦し,女性たちは台所に集まって,食事の後片付けをしておしゃべりをしていた。

    この時に限らず,『ブロンディ』の漫画に描かれているような光景はほとんど見られなかった。もっともアイオワ州の田舎の大学町のことではある。大都会では漫画のような家庭がたくさんあったのかもしれないが…。