惜しかった。
今朝サッカーU-17ワールドカップの決勝トーナメントで、日本はブラジルと準決勝進出を賭けて戦い2-3というスコアで惜しくも敗退してしまった。
この大会はじまってから日本の期待値は高かった。
地元メキシコのテレビ中継は「このチームはバルセロナのようだ」と賞賛し、相手チームの監督にも褒められる程美しいサッカーをしていた。
そして迎えた注目のブラジル戦。
僕たちの世代から見たブラジルというのは絶対王者であり、戦う事すら出来ない雲の上の存在だった。
記憶に新しいのは「マイアミの奇跡」ではないだろうか?
1996年アトランタオリンピック・男子サッカー第1次リーグにおいて、日本代表がブラジル代表を1対0で下したあの試合。
28本のシュートを防いだ守護神「川口能活」。
最後まで集中力を切らさなかった、Jリーグ所属の若手選手で構成された日本代表。
ディフエンスとゴールキーパーが激突して、ほとんど自殺点の様な形ではあったが日本はブラジルに勝ったのだ。
サッカーは本当に試合終了まで何がおこるか分からないスポーツだ。
でもこんな凄い確率のラッキーが起きなければ、どの世代でも勝てる様な相手では無かったのだ。
その夜ブラジルでは何故負けたのか?という朝まで生テレビのような特番が急遽組まれたらしい。
それほどサッカーに熱い国ブラジルとの戦い。
試合前に吉武監督は「ブラジルに勝つ確率は1~2%。胸を借りるつもりで戦う」と謙虚に話していたが、正直何かがおこりそうな予感はあった。
試合は3-0というブラジルが一方的な展開。
個々の身体能力では到底かなわない相手だ。
しかし、日本の選手達の心は全く折れてなかった。
完璧に崩したサイドからの攻撃で1点を返し、試合終了直前にセットプレーでゴール前の混戦からもう1点返して3-2という王者ブラジルをあと1歩という所まで追いつめたのだ。
終わってみればボールポゼッションは日本がやや上。
シュートもほぼ同じぐらいうっている。
試合が終わり、涙する若武者達。
その涙は雲の上の存在と戦った様な感じはなく、同等の相手と試合をして負けたという熱い涙だった。
だから今回は胸を張って言える。
惜しかった。
このサムライ達が、A代表に沢山名前を連ねる時が楽しみだ。