奥手静雄「今日も、何事もなく、平和で、
無事、仕事も終え、家路に向かう〜
自宅には、愛する女房が待っている。
帰ったら、女房と、些細な会話を楽しんで、
一緒に、夕食を囲んでは、一緒に、同じベッドで就寝〜 そして、今日の日も終わる」



奥手静雄「女房とは、出逢ってから、
早30年〜、時には、お互いに、激しい喧嘩も
あったりで、いろいろと夫婦仲の危機、
離婚の危機も何度か訪れたけど、、、
なんやかんやで、また、仲直りしては、
女房に癒され、愛され、僕の人生を過ごして
いった~」




奥手静雄「一見、順風満帆な、幸せな家庭で、
幸せな生活で、幸せな人生と思われるだろう〜
それは、そうさ、決して、僕の働いている
収入が、高いというわけでは、ないが、
生活する上で、さほど困る収入でもない。
また、女房も、誰もが羨む美人というわけでも
ないが、決して美人でもないという事もない。
容姿を評価するならば、普通以上の美人で〜




そんなある日の事、、、


あけみ「奥手さん〜!すみません〜
今度の大事な日ですけど、、、
勤務ができなくて、、、
母親が、亡くなってしまって、、、





奥手静雄「いやいやいや、いいんだよ~
あけみさん〜 そういう事でしたら、
勤務出来ないのは、やむ得ないですよ~
そんな事より、お母様が、亡くなられて、
さぞ、哀しい事だね。
通夜では、思いっきり泣いてくるといいよ。



あけみ「すみません〜 ありがとうございます〜 、、、、、


ウッ、ウッ、ウッ、、、、
(泣き崩れるあけみ




奥手静雄「ワッ、ワッ、ワッ、、、、、、
大丈夫だよ~ あけみさん〜
きっとお母様も、天国で、見守ってくれるよ



あけみ「奥手さん〜  ウッ、ウッ、ウッ、
ワ〜〜ン!!
思わず奥手静雄に、抱きつくあけみ



奥手静雄「ワッ、ワッ、ワッ、、、
あけみさん〜  、、、





僕は、急に、まさか、会社の部下とは、いえ、
女性に、女性の方から、抱きつかれる事とは、
予想だに、しなかった〜 
確かに、母親の死の前に、抱きつく彼女には、
不純な動機があるとは、思えないし、 むしろ、
そんな、泣いてる姿の彼女を見て、
愛おしくにも思えた。


今まで、彼女の事を、頼りになる部下として
接してきたが、いわゆる「女」として、
意識した事はない。 ないというのは嘘になるが、本音は、
そんな意識を持っては、いけない!
僕には、一途に、愛する女房がいるし、
そう強く自分に言い聞かせ、理性でもって、
今日の日まで、やってきたのだが、、、




この瞬間に、、、
僕の、確固たる強い理性が、信念が、
女房に対する信頼が、少しずつ、
崩れかけていく気がした。




結局、その日は、
2人の間には、何事もなく、、、




あけみ「すみません〜
奥手さんに、大変失礼な事〜
わたしったら、、、




奥手静雄「アッ、いやいや、別に気にしなくて、大丈夫だよ~ 僕の事なんて、どうでもいいから〜
それよりも、お母様の事、、、
仕事は、休みをとって、、、
ねっ?



あけみ「はい、




そして、僕は、部下であるあけみさんに
抱きつかれた数秒間を、脳裏に、焼き付けながら〜 何事もなく、いつものように、
いつもの時間に、自宅へ、帰宅するのであった。




すると、どうだろ?
いつもなら、夕食の準備を終えて、待ってるはずの女房が、そこには、いなかった~




奥手静雄「あれ??おかしいなぁ〜
みゆきが、いない?
おーい!みゆき!!
ただいま~ 今、帰ったよ~



シーーーーーーーーーーーーン




静まりかえる家





奥手静雄「どこか、コンビニにでも、買い物に
行ってるのかな?



何気なく、寝室に向かうと、
ベッドの布団に、くるまっている様子の
女房を見て、




奥手静雄「な〜んだ!
みゆきのやつ、もうこんな早い時間に、
寝てしまってるのか〜
今日は、よっぽど、疲れてたのかな?



女房の側に、近寄る奥手静雄

ささやくような声で、


奥手静雄「みゆき〜 今日は、お疲れだね~
夕食は、今日は、僕が、簡単だけど、
作っておくから、
そのまま、ゆっくり休んでよ~
 


そういって、覆いかぶった、布団をめくりあげる奥手静雄〜




奥手静雄「!???



ギャーーーーーーーーーーーーーーーー!!!






そこには、女房ではなく、得体の知れない
男の顔が浮かびあがった






奥手静雄「ワッ、ワッ、ワッ、
あなた、一体??誰なんです!?


なんで、僕の家の中に!?

しかも、ベッドの中で、眠ってるんだ!?




「オーーーーーーーッ、ホッホッホッ!!



奥手静雄「、、、、、、、、、




喪黒福造「申し遅れました〜
わたくし、こういう者です〜





奥手静雄「、、、ココロのスキマ、、
お埋め致します、、、!??



喪黒福造「大変、驚かせたようで、
すみません〜 いろいろと、
訳あって、わたくし、ここで、
奥手静雄さん〜!!
あなたの帰りをお待ちしておりました〜



奥手静雄「エッ???
みゆきは??
みゆきは、一体どこに???

まさか、あなた、、、
みゆきを、、、!??




喪黒福造「誤解のないようお伝えしますが、
決して、わたくしが、みゆきさんを、
手に掛ける事は、ございません〜
みゆきさんは、もちろん無事で、
生きてらっしゃいます〜




奥手静雄「わかったぞ!!
あんた、身代金を要求したいんだなっ!
それで、みゆきを人質にとって、、、




喪黒福造「そう、慌てなさんなっ!
身代金要求するやからが、
わざわざ、無防備に、奥手静雄さんの目の前に
現れるわけないですよね?



奥手静雄「そりゃ、そうだ、
そういえば、身代金要求する際は、
そもそも、電話から〜と相場が決まってる、、、
それでは、あなたは、一体??



喪黒福造「奥手静雄さん〜 あなた、何か、
思いあたるふしは、ありませんか?
自分の胸に、手を押しあてて、
考えて見て下さい〜




奥手静雄「、、、、、
ハッ!?
まさか!?

今日、まさに、あった出来事〜
部下の、あけみさんとの事〜




喪黒福造「ピンポーーーーーーーーーン!
大正解ですよ!奥手静雄さん!!




奥手静雄「て、事は、つまり、、、
あなたは、もしや、、、
みゆきに雇われた、探偵では??



喪黒福造「ハッキリ申し上げますと、
わたくしは、探偵では、ございません〜
でも、、、ある意味で、
探偵みたいな者にもみえなくはない、、、
決して、全否定するわけもないですが、、、



奥手静雄「いや、やっぱり、探偵に違いない!
どうせ、あんたは、すでに、僕の事を、
マークしていて、決定的な瞬間を、カメラに
でも、おさえたんだろ!
確か、探偵は、不倫調査の依頼も受けると
聞いた事あるぞ!



喪黒福造「ですから〜
わたくしは、探偵では、ありません!
が、、そう思ってらっしゃるなら、
ご勝手にして構いませんが、、


そろそろ、本題に入らせて、
頂きますよ!!


いかんせん、
この物語を視聴なさってる読者の方から、
早く展開を進めて、オチを見せろ!
と催促されそうなんで!




奥手静雄「で、、僕にどうしろと?
どうしたらいいんだ?




喪黒福造「手短にお願いしたいですが、、、
単刀直入に申し上げますが、、、
奥手静雄さん!
あなたは、ズバリ!!
一筋に愛する奥様こと、みゆきさんが、いながら、今回の事で、会社の部下である
あけみさんの事を好きになっていますね?




奥手静雄「そ、そ、そ、それは、、、
えっと、、、

つまり、、、、 その、、、 何というか、、、




喪黒福造「どうやら、否定なさらないところを見ますと、図星のようですね!!


奥手静雄「いや、そんな事は、ないよ~
なぜなら、愛する女房とは、一途で、
30年近くも、浮気も不倫も一度たりとも
ないんだから〜 今更、そんな事するわけないじゃないか??


例えば、女房に、なにかしら、とてつもない
汚点があって、、、

そうそう、、例えば、女房が、僕を、裏切って、
浮気を逆にしてた場合とか、、、
他にも、よく言われてる、男女の夜の営みが、
上手くいかない、、、出来ない、、、
性的な不一致、または、精神的な性格の不一致
とか、、、そういう理由があれば、、、




喪黒福造「いえ、いえ、決して、奥手静雄さんの、奥様は、あなたを裏切るような事は、
一切なさってません!
奥手静雄さん同様、一途で、
また、お互いの性的不一致、性格の不一致、
なんて事は、ありません!

当然、金銭面の問題もありません!




奥手静雄「それじゃ〜
喪黒さん〜 分かってくれますよね?
決して、僕が、あけみさんの事を
好きではない事を!



喪黒福造「申し訳ありませんが、
それは、違います!!
それについては、全否定させて、
頂きます!  


奥手静雄「えっ?何で??何で??
何でですか?喪黒さん!
さっきも言ったように、
女房の、みゆきとは、30年近くも、
愛し合って来たんですよ!
今更、他の誰かを好きになるなんて、、、





喪黒福造「恋とは、盲目です。
また、出逢いとは、突然にやってくるものなのです!



奥手静雄「えっ???



喪黒福造「恋愛に、、、
人を好きになるという事は、
理屈じゃないんですよ!奥手静雄さん!

例え、夫婦お互いに、恵まれた環境で、
あった場合でも、愛し合い、その年月が、
30年、40年、50年続いたとしても、
続けたとしても、、、
恋愛には、、、
人をすきになる、
人を愛するという事は、
年月は、関係ありません!!





奥手静雄「それじゃ〜、、、
つまり、喪黒さんは、僕の本音は、
部下であるあけみさんの事を好きに
なっていると確信してるんですね?




喪黒福造「ハイ!
間違いありません!
100%断言致します!




奥手静雄「そうか〜
きっと、喪黒さんは、探偵ではなく、
有名な占い師かなんかだったのか、、、




喪黒福造「それも、違いますけど、、、
とにかく、奥手静雄さん〜
あなたは、ズバリ、今日の事に限らず、
以前から、ココロのどこかで、
部下のあけみさんの事を想い、
そして、例え、あけみさんと、
結ばれる事がなくても、
それは、それの男女の距離感で、持って
いる事だけでも、幸せだと、自負なさってます





奥手静雄「や、や、や、やめてくれーーーー!
そんな事まで、、、

うわぁ〜〜
やめてくれーーーーーー!



喪黒福造「そして、ついに、この日、
あけみさんとの、ある意味のきっかけでもって、今後の展開が、、、
あけみさんを強く抱きしめ、その唇を、、、

 
奥手静雄「やめてくれーーーーーーー!!
それ以上は!!!




喪黒福造「いっその事、奥様、みゆきさんが、
この世からいなくなれば??
あけみさんと一緒に、自由になれる!
それが、奥手静雄さんのお望みなんでしょ??



奥手静雄「いや、そんな事は、、、
そんな事は、、、決して、、、
そんな事は、、、

、、、、、、、、、、



喪黒福造「そのお望み、叶えて、
差し上げましょう〜〜!!







ダァッーーーーーーーーーーーーーー!!







奥手静雄「ヒェッーーーーーーーーー!!!







そして、、、





気付くと、
僕は、いつものように、
自宅のベッドに眠っていた、、、


我に気がついた!?



奥手静雄「みゆき!!
みゆきは??

まさか、喪黒さんが、
みゆきの命を!?





、、、、


みゆき「どうしたの???
あなた???




奥手静雄「みゆき!!生きてたのか??
良かったよ~!!!

それにしても、喪黒さんは?一体どこに?




みゆき「喪黒さん???
あなた、何、寝ぼけてるの??
喪黒さんって誰??



奥手静雄「あの、なんだか、探偵なのか、
占い師なのが、、得体の知れない男だよ?




みゆき「エッ??それって、まさか、私が、
浮気してた?とでも??




奥手静雄「いや、みゆきに限って、そんな事は、ないか〜 

、、、、、



そうか、、、
きっと、苦し夢でも、見たんだろ〜






会社へ向かう奥手静雄、

会社に着く奥手静雄、





そして、気付いた、、、



会社に、部下のあけみさんが、
居ない事を、、、




奥手静雄「まさか??
やっぱり、あの夜の事は、夢じゃなくて、
喪黒さんは、確かに、存在してたんだ!!


てっきり、僕が、部下のあけみさんを
好きになりかけていた事で、
喪黒さんは、あの時、
確かに、女房の、みゆきを、この世から消して、
あけみさんと一緒にさせる〜という望みを叶えるハズだったが??




奥手静雄の同僚「もしかして?
あけみさんの事???
確か、さっき、電話があって、
あけみさんのお母様から、娘の
あけみは、本日を持って会社を
退職します〜 て、連絡合ったよ!




奥手静雄「辞めた???
あけみさんが???



つまり、それは、その、、、、




そうか、分かったぞ!!


きっと、あの喪黒さんは、やっぱり、
本当で、僕の事を僕等夫婦の事を試したんだ!



本当の愛とは、何であるか?という事を!
だから、喪黒さんは、女房のみゆきではなく、
あけみさんをこの世から消した、、、

ん、、!?

いや、まさか、、、
消したというより、
なんやかんやで、おそらく、おおかた、
あけみさんに、口実を言って、僕との距離を離すために、会社を退職するよう、うまく
促したに違いない!



そうか、そういう事か!!

僕は、喪黒さんに、救われたんだ!
本当の愛とは、何かを教えてくれた!



ありがとう!!


喪黒さん!



僕は、これからは、一点の曇りもなく、
女房のみゆきを、後、50年、60年、いや、
100年過ぎても、一途に愛し合う事を約束します!  これが、本当の純愛だ!




こうして、、、
奥手静雄は、例え、目の前に、あらゆる
素敵な女性が、現れようとも、
目移りする事なく、不倫は、もちろん、
浮気なく、みゆきと一緒に、一生、
愛し合い続ける決意と、覚悟を決めるのであった。





喪黒福造「素晴らしい素敵な、夫婦愛〜
感動的な、ハッピーエンドでしたね!?



、、、、、



エッ?? おやおや、、何やら、
このブログの読者様から、コメントが、
わたくしに、届いてる模様ですね~


「いつも、必ず、バッドエンドのオチになるはずが、今回の喪黒は、珍しい〜 いい人で、
終わったね」「散々、長いストーリー見せておいて、何だよ!!このオチは??期待ハズレ!
時間を返せ!」



喪黒福造「たくさんのお叱りのコメント、
頂戴いたしましたが、
わたくしだって、一応は、たまには、
良い事もしますよ~

それでは、皆様、サヨウナラ〜!!







、、、、、、





みゆき「、、、、、、、、
フゥ~、、、、
煙草を吸い始めるみゆき



喪黒福造「それにしても、
これで、本当に良かったんですか?
みゆきさん?



みゆきさん「これで、いいんですよ~
確かに、私の旦那は、この30年間、
不倫は、もちろん、浮気となりそうな、
行為は、一切してはいない。
それは、喪黒さんも、断言してますよね?



喪黒福造「それは、間違いありません、、、
が、、、



みゆき「そう、、でも、私達の愛は、
決して完璧では、なかった。
まさか、私の旦那が、あの会社の部下のあけみとかいう女の事を、決して、肉体関係を持たず、その行為に踏み込まなかったのは、事実。


喪黒福造「間違いありません〜
確かに、そうおっしゃってるじゃ〜
ありませんか?



みゆき「でもね?喪黒さん?
肉体関係がないからって、浮気ではない、
不倫ではない、てのは、完璧じゃないし、
都合良すぎやしません?

社会全体の風潮として、一般的に、
皆、不倫の定義は、肉体関係を持ったか?
持たなかったか?の基準で、馬鹿でも、
わかるような判断を下すじゃない?




喪黒福造「おやおや~馬鹿は、いい過ぎではありませんか?



みゆき「わたしからしたら、身体の関係で、
相手を好きになるのは、された方は、悔しいし、苦しいけど、そもそも、そんな関係は、
本当の愛ではないし、長くは、続かない事を
私は、知ってる。

、、、、、



本当の愛は、むしろ、見えなくて、、、
肉体関係すらないが、
相手を想う、まさに、純愛〜



だんなは、確かに、恋愛には、臆病で、
優しすぎるが故に、いい意味でも、
悪い意味でも、、、、





喪黒福造「まぁ〜、まぁ〜、この辺にして、おきましょ〜
あんまり、ダラダラこのまま、喋り続けますと、このブログの読者様から、ご指摘うけますので、、、



みゆき「ありがとう〜
喪黒さん!!きっと、これで、
私達夫婦は、永遠の、真の愛を手に入れる
事が、出来ましたわっ!









喪黒福造「さすがに、もうオチは、ついてますので、本当に、最後に閉めたいと思いますが、、、
このお二人が、おっしゃってる「愛」って、
「本当の愛」って、結局のところ、
なんだんったんでしょうかね~
私には、「本当の愛」なんて、わかりませんね~  


えっ??さっき、、おまえは、偉そうに、本当の愛について、語ってたじゃないか?ですって?
私、そんな事、おっしゃってましたかね~


それにしても、そもそも、このブログの
タイトル「不倫が出来ない男」ではなくて、
「不倫の出来ない女」に、変更した方が、
よろしいですかね~




オッーーーーーーーーーホッ、ホッ、ホッ!!