不妊治療を開始してから約2年。


その間に、人工受精7回、体外受精・顕微授精の移植を4回受けた。


稽留流産、化学流産でお腹に宿った命を

失う経験も2回した。





世の中にはもっと長く不妊治療をしていたり、

もっと何度も採卵や移植を繰り返している方も

たくさんいると思う。



でも、わたしは正直この2年の不妊治療で

疲れ切っていた。


常に体調がすぐれないことも

精神的に落ち込んだりイライラしたりしてしまうことも、そのせいで仕事がうまくいかない日があることも、ぼちぼち耐えられなくなっていたのだ。




そして、不妊治療があることで

転職時期を見送ったり、

海外旅行にも行けなかったり…。


キャリアもプライベートも犠牲になっていることや、物理的にも精神的にも身動きが取れない状況にあり続けてきたことが、

かなりのストレスになり始めていた。



そこで、次の移植を最後に、

しばらく妊活はお休みしようと決めた。



その決断をする前に、どんな経緯で手に取ったかは忘れてしまったが、偶然見つけたコミックエッセイ『私が不妊治療をやめたわけ』(海原こうめ)を読んだ。





世の中には、不妊治療の末に子供を授かった人の話はたくさん出回っているけれど、


実際には、不妊治療をやめた人、やれるところまでやっても妊娠に至らなかった人… 


望む結果が得られなかった人はごまんといるはずだ。


でも、そういう人の話はなかなか表に出てこない。



だから、この本に描かれている話は

すごく貴重なものだと思ったし、


どのエピソードにも深く共感できて、

泣きながらもすぐに読み切ってしまった。




婦人科系の病気をきっかけに、36歳でなし崩し的に妊活を始めた海原さん。


不妊治療を始めた当時は「40歳になったら」「費用が200万円を超えたら」やめようと決めていたそう。


だけど、結局41歳まで治療を続け、体外受精や顕微授精にかかった費用は約460万円。

体質改善のために通った鍼灸院の費用なども含めれば、500万円超とのこと。


具体的な金額を見てハッとした。これは、他人事ではない。


私はこれまで何となくだらだらと不妊治療を続けていて、いつか妊娠できるだろうという楽観的な考えを捨てきれず、どうなったら不妊治療をやめるのかを全く決めていなかったのだ。


共働で収入もそこそこあるものだから、働いてさえいれば、不妊治療は続けられてしまう。

それに、不妊治療の保険適用も、金銭的な面では後押しになった。


だけど、結果はいつでるのか、全くわからない。不妊治療が長引けば長引くほど、いくら保険適用だからって、金銭的な負担は大きい。



しかも、いくら治療に打ち込んだところで、結果が出る保証もない。何なら全くの無駄になる可能性も今の私の経過を見ればかなり高い気もする。


欲しいものが手に入るまでやめ時のわからないガチャをぐるぐる回し続けているような感覚だった。


自分なりにやり切った時がやめ時



この本を読んで思ったのは、

結局、不妊治療にかけられるお金も、体力や体質も人それぞれ違うから、


もう自分はやり切った!!


と後悔なく言える時こそが、

不妊治療のやめ時だろうということだ。



私も妊娠を諦めたわけではないけれど、

いったん終止符を打っても

あとで後悔しないと思える気持ちには

なっていた。それは確かだった。



だから、次の移植で妊活はしばらくお休み。

そう決意することができたのだと思う。



また、次の移植について

追って書きます!