唐突ですが、自動車のフォグランプの使い方を書きます。
なぜ書こうと思ったかというと、先日帰国した際にリアフォグの使い方がおかしいと感じる車を見たからです。
とはいえ、使い方は法規で決まっているわけではありませんので、あくまで海外運転経験(約20ヶ国)、特にイギリスに4年住んでた経験からこうあるべきではないかということを書きます。
まずはフォグランプは前用も後用も、視界が不良の時にのみ使うものです。
どのくらい不良の時かというと、濃霧またはそれに準じる状況です。
多少の霧や雨、雪程度でつけるべきものではありません。
まして晴天時は問題外です。
理由は前用、後用それぞれで後述します。
■フロントフォグランプの使い方
まずは法規に適合したランプを装着すること。
法規に適合しないドライビングライトや光軸の合ってない補助灯の使用は論外です。
だいたい、競技でもなければ、日本のめちゃくちゃ低い平均速度の交通環境でそんな明るいライトが必要なわけがありません。
もし必要なら事故が多発して、その対応として法規が変わっているはず。
もちろん現実にはそんなことはなく、そう言ったライトを使ってる連中はただの自己中にすぎません。
次に法規にあったフォグランプですが、その特性上、極めて近距離を幅広く照らすようになっています。
つまり、ヘッドライトのロービームよりライトが届く距離は短いということです。
だからこそフォグランプはヘッドライトのロービームでも光軸が高く光が散乱してかえって見づらいような濃霧時に使用するわけですが、そのためロービームよりもごく近距離用なので、せいぜい徐行に使える程度のものです。
濃霧の場合、停車するか徐行が適切な走行法でしょう。
むしろそういう状況下で、自車の存在を対向車や歩行者などに知らせる役目の方が大きいと思います。
フォグランプをつけると明るくなって見やすくなるからという意見もありますが、見やすくなるのは直近のごく短距離のみ。
通常速度で運転する際に本当に必要な距離には役に立たないどころか、かえって有害だと考えています。
手前が明るく照らされると、人間の目はそれに合わせて露出調整をするので、その先の暗い部分はフォグランプをつける前より見づらくなります。
つまり、歩行者やその他の障害物の発見が遅れる可能性が大きくなるということです。
路面からの反射が大きな状態、例えば雪道だとか雨天では特に気をつけるべきです。
フォグランプつけてもいいですが、つけるなら徐行しましょう。
■リアフォグランプの使い方
よく晴れた抜群に視界の良い時にリアフォグランプつけてるのってドイツ車が多い気がしますが、それはおそらくリアフォグ装着車が輸入車に多く、ドイツ車のシェアが輸入車トップだからでしょう。
それにしても、なぜ晴れた日にリアフォグランプつけるんでしょうね?
ジジイには意味が全く理解できません。
それはともかく。
リアフォグランプを使うのは、テールランプが十分視認できないほどの濃霧やそれに準じた気象条件(猛吹雪とか)の場合です。
そういう条件かどうかは前方を走る車のテールランプの見え方で判断できます。
前方に車がいない場合は街灯やその他の照明から判断です。
点灯が必要な気象条件でも、車間距離が短くテールランプが十分視認できるならリアフォグランプは点灯すべきではありません。
自分が最後尾だった場合は、もちろん点灯すべきですが、常に後方を確認し後続車が近づいてきたらまめに消すべきです。
例えば、濃霧の中、交差点で信号により最後尾で停止しているときはリアフォグランプを点灯しますが、後続のヘッドライトが近づいてきたら適切な位置で消す必要があります。
そのくらいリアフォグランプは使用頻度が少なく、使用するにも常に後方に気を遣わなければいけないランプだと思います。
フロントのフォグランプは光軸さえあっていれば、不適切な使い方をしても他車の迷惑にはあまりならず、自分の運転リスクを増やすだけですが、リアフォグランプの場合はめちゃくちゃ迷惑です。
何でもそうですが、目的にマッチした使い方をしてほしいものです。