#若いときに買った苦労:柔道部物語【夏宿先での蛍がり】 | 3587-3823のブログ

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柔道部物語【夏宿先での蛍がり】

 2年生の夏合宿は、新潟方面のスキー場で開催されました。

 夏場ですので、当然雪は無く、長い坂道と田んぼの中に宿舎(旅館)があり、徒歩で行ける場所に市の体育館を借り、畳を並べて簡易的な道場作りから、夏合宿が始まりました。

 新潟といっても夏場は、とても暑く、体育館には、空調設備など無く、畳を床に設置しただけで、汗だく状態でした。初日は、道場を作った後、畳の上で、軽く筋トレ(スクワット・腕立て・腹筋各500回)を行い初日の稽古を終了しました。

 朝トレは、山道でのランニング(3~4km)後、坂道ダッシュ10本、肩車、腕立て(100~200回程)などをこなし、朝食を取り、午前(10:00)・午後(14:00)の稽古をし、入浴と夕食で1日のスケジュールを行っておりました。

 ある日の朝トレで腕立てを行っていた所、号令と合わなく、何回もやり直しになりました。体力も限界に達していた事も有り、終了近くには、意識は、あるものの視界が徐々に暗くなり真っ暗になった状態で、号令をかけながら腕立てを続けておりました。後にも先にも、目が見えなくなるまで腕立てをした事は、これ一度きりの体験でした。

 合宿も中盤を過ぎ、夕食後にマネージャーの先輩から、宿舎の前に全員集合との事で入り口に行ってみると、監督から「今から下の田んぼ付近でホタルを捕獲せよ!」と、訳のわからない号令と共に、ビニール袋を渡され、真っ暗な坂道付近で、ホタルを捕獲する事となりました。新潟とはいえ、夏場は蒸し暑く、スキー場の為、街灯も無い真っ暗な田んぼ付近の坂道で、次々とホタルを捕獲してゆきました。

 闇夜の中で、無数のホタルの群れが飛びかう風景は、幻想的で、とてもロマンチックな情景でしたが、ここに女子などいる訳も無く、ブタゴリラの様な集団が、ホタルめがけて捕獲作業を一心不乱に行っておりましたので、「ロマンチックってうまい?」というような感じでした。

 しばらくすると、どこからか悲鳴が聞こえ、懐中電灯を頼りに様子を見に行くと、田んぼの脇から泥だらけの同級生が、泥のゴーレムの様な姿で出てきました。

 どうやら、足を滑らせて、田んぼに落ちたようで、頭から足の先まで、泥まみれ状態でした。

 かなり多くのホタルを捕獲し、宿舎に戻ると入り口には、監督と師範(鬼の柔道家)が待っており、捕獲したホタルを回収し、部屋に戻って行きました。

 どうやら、窓から無数のホタルを見かけて、部屋に放ち、一杯飲むという事だったようで、本当に迷惑千万な話です。

 翌朝の朝トレの時、ホタルを捕獲した田んぼを通りかかった時に、まるでマンガでしか見た事の無いような、見事に大の字に人型がはっきりと残っておりました。

Etrange et Insolite

若いときに買った苦労

 

 

 

 

 

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