『お前とは、もう一緒に暮らせない』
『お前には、もう愛情がない』
単身赴任中だった旦那が突然、豹変した。
温厚で、誠実な夫の姿はどこにもなく、目は鋭く、氷のように冷たい言葉を吐き続ける。
私はといえば、あまりのショックで、その日から
食べられない。
眠れない。
テレビも音楽もダメ。
ただ涙が止まらない。
なぜこうなってしまったのか。
私のどこがいけなかったのか。
誰にも相談できず、子供にバレるのを恐れ、
細かく砕かれた心を、どうすることもできず。
ただ、泣くしかなかった。
この時はまだ、あの真面目で誠実な夫が、不倫しているなんて全く想像出来なかった。