なぜ、普通の女の子がホストに人生を壊されるのか



巷で問題になっているホストクラブ。

最初から、何十万も使う女の子なんて、
ほとんどいない。
多くは本当に、どこにでもいる普通の女の子。

「ちょっと疲れてて」
「友達に連れて行かれて」
「軽い気持ちで」

それなのに、気づいたら
高額ボトル
借金
風俗落ち
生活崩壊――

外からは、こう言われる。
「自業自得」
「頭が悪い」
「依存症」

でも、彼女たちの中で起きているのは、
そんな単純な話じゃない。

今夜は、そんな彼女たちの中で
一体何が起きているのかを紐解いていくわ。


「安全基地」がないまま大人になった女の子たち



心理学に「安全基地」という言葉がある。

簡単に言うと、
「ここに戻れば大丈夫」
「私は無条件で受け入れられている」
と感じられる、心の居場所のこと。

本来これは、幼少期に
養育者
との関係の中で育つ。

でも、こんな家庭で育った子はどうなるか。

・親が忙しくて構ってもらえなかった
・甘えると嫌な顔をされた
・褒められるのは“いい子”の時だけ
・感情を出すと面倒がられた
・家の空気がいつもピリピリしていた

この子は学習する。

「私は、そのままじゃ愛されない」
「相手の機嫌を取らないと捨てられる」
「安心は、努力しないと手に入らない」

この時点で、心の中に
不安定な愛着 が出来上がる。

大前提として、
愛=安心 という感覚は、生まれつきじゃない。

幼少期に
「安心」と「人」がセットで経験されて
はじめて脳にインストールされるの。

それができなかった人の脳では、
別の回路ができる。


不安と緊張が「関係の中心」になる脳



不安定な家庭で育つと、子どもはこう学ぶ。

・いつ機嫌が変わるかわからない
・近づくと怒られる時がある
・優しい時と冷たい時の差が激しい
・愛情は突然消える

この環境で、一番よく使われる感情は何か。

不安と緊張。

脳は
「よく出てくる感情=重要なもの」
として、配線を強化する。

結果、

不安・緊張・ドキドキ
関係性の基本感情

になる。


ホストが作る「疑似・安全基地」


そんな女の子が、ホストに出会う。


ホストは最初、こう言うわ。

「来てくれて嬉しい」
「〇〇ちゃんは特別」
「俺の前では無理しなくていい」

ここで彼女の中に浮かぶ感覚。

――あ、ここは安心できる場所かもしれない。

本当は安全基地じゃない。
でも、そう感じてしまう。

なぜなら、

・否定されない
・感情を肯定される
・存在を認められる
・寂しさに名前をつけてもらえる

幼少期にもらえなかったものが
一気に差し出されるから。

脳はこれを
「救われた」
と誤認してしまう。


なぜ、彼女たちはお金を払うのか



ここが一番の誤解ポイント。

彼女たちは
「ホストが好きだから」
お金を払っているわけじゃないわ。

正確には、

ホストの前で“安心している自分”を失いたくない

そのために払っている。

不安定な愛着を持つ人にとって、
安心は「一時的」で「条件付き」。

だから無意識に思っている。

・払わなかったら、見捨てられる
・価値が下がったら、居場所がなくなる
・選ばれなくなったら、私は消える

ボトル一本=安心の延長チケット。

値段が上がるほど、
「私はここにいていい」という感覚が強くなる。


借金 → 風俗落ちが止まらない理由



借金が増えても、止まらない。

それは彼女たちが
現実より、心の安定を優先しているから。

生活が壊れていく現実より、
ホストの前で感じる数時間の安心の方が、
圧倒的にリアル。

そして、どこかでこう思っている。

「どうせ私なんて」
「私が壊れても、誰も困らない」

これは自暴自棄じゃない。
自己価値が育たなかった人の、自然な思考。


なぜ「不安な関係ほど愛っぽく感じるのか」



安定した関係だと、

・連絡が一定
・態度がブレない
・感情の上下が少ない

不安定な愛着の人は、ここで違和感を覚える。

「物足りない」
「本気じゃなさそう」
「ドキドキしない」

正確には、
脳が慣れていないだけ。

一方で、

・連絡が来るかわからない
・機嫌次第で扱いが変わる
・特別扱いと放置の落差がある

このジェットコースターは、
幼少期に慣れた感情パターンと一致する。

心拍が上がる
眠れない
考え続けてしまう

この身体反応を、脳が誤訳してしまうの。

「こんなに気になる=大事な人」
「苦しいほど想う=愛」

これが
「愛っぽい」感覚の正体。


なぜ「自分を壊す選択」が安心になるのか



貯金が減る
借金が増える
生活が壊れる

頭では分かっている。

でも心の奥では、こう感じている。

「やっぱりね」
「私なら、こうなるよね」
「この位置が落ち着く」

人は
自分の無意識の自己イメージと一致する状態
にいると、奇妙な安心を感じてしまう。

自己否定が深い人ほど、
安定や幸福の方が怖い。


これは弱さじゃない

ホスト依存も、自己破壊も、

意志の弱さではなく
頭の悪さでもない

あの頃の自分を守るために
無意識が選んだやり方。

ただ、そのやり方は
大人になった今の人生には、もう合っていない。

自分を壊すことで居場所を得ていた世界から、
壊さなくても失われない感覚へ。

これは意思の問題じゃない。
心の使い方を、選び直すということ。

安心は、後からでも覚えられるわ。
時間はかかるけど、ちゃんと。

愛は、ドキドキじゃない。
長く呼吸できるかどうか。

もし途中で
胸がザワッとしたり
読んでいて目を逸らしたくなったなら、
それは他人事じゃない。

ホストに大金を使う女の子だけの話ではないの。

・不安定な恋愛ばかり繰り返す
・優しい人を「物足りない」と感じる
・追われると冷めて、追われなくなると執着する
・苦しい関係なのに、離れると落ち着かない

これらは全部、同じ根っこから伸びている。

「愛=安心」を知らないまま大人になった心。

ホストは、ただ
その穴に一番分かりやすくハマる存在なだけ。

ボトル
借金
風俗
それは“原因”じゃない。

見えない欠落が、表に出た形。

もしあなたが
「私も、安心より不安を選んでるかもしれない」
そう感じたなら、

それは弱さでも失敗でもない。

ただ、
まだ知らない感覚があるだけ。

次は、
なぜ「安心」が怖くなるのか。
なぜ「抜け出しかけると苦しくなる」のか。
そして、どうやってこの感覚を書き換えていくのか。

後編では、
このループの正体と、抜け道の話をしていくわ。