以前、顔面神経麻痺になった事がある。
人生初めての経験だ。
どういう症状だったかというと、、突然、上手く口が閉じなくなった。。
朝の歯磨き後、口内の水をくちゅくちゅする度に、口端からピュッピュッと水が飛び出す。
何?これは、どうしちゃったの――――
歯治療時の、麻酔が残っているあの感覚の無さを思い出した。。
鏡を見ると、顔右半分の様子がおかしい。
眉、目尻、口角が微妙に下がっている。
そして言語障害、、”パピプペポ”が上手く言えない。
"パープル” と言おうとしても、 ”はーふる”になってしまう。
これはまいったな・・・仕方がない。
病院に行くしかないか、、病院嫌いなんて言っている場合じゃない。
とりあえず脳神経外科で受診することにした。
脳血管障害だったら一刻も早い方がいい。
ひと通りの検査の後、「ベル麻痺」 という突発性顔面神経麻痺という診断をされた。
はっきりとした原因は特定できないらしい。
この時期私は、パートタイムで接客業を始めて、やっと慣れだした頃だった。
身体的、精神的な疲労の蓄積も、少なからずあったのだろう。
生活のリズムや、環境の変化といったモノは、思った以上に身体に影響を与える。
人生において最大の変化、特に女性は名前までも変わってしまう結婚。
結婚してから一年の間、私は今まで経験した事のない病気や怪我に襲われた。
腱鞘炎から始まり、肺炎やインフルエンザ、、訳の解らない発熱や原因不明の体調不良。。
運気が下がってしまったのか、と画数を変えた印鑑まで作ったりした。
体が弱っている時は判断力も鈍ってしまう。
でも相手がどんなに良くても、他人と暮らすのはやはり難しいのだ。
ともあれ、麻痺は2週間から4週間で回復する。
それにしても、体の一部が麻痺するという事は何て不便なんだろう。
顔面麻痺になると、味覚も無くなる。食事がつまらない。
水分を飲もうとしても、唇の片方からダラダラとこぼれる。
口をすすぐと水がぴゅっ、ぴゅっ・・・と飛び出し、
水を飲むと口からダラダラ・・・情けない事この上ない。
でも私の症状は、軽い方らしいので、いい経験をしたと思い、
改めて健康の有り難さを感じた・・・という、ありふれたオチにしておこう。
長野県高山村 松川渓谷の、カミナリ滝です。名前の通り、ごおごおと水の音が
凄いんです。
滝の裏側に遊歩道があるので、裏見の滝とも呼ばれています。
字を変えると怖いですねー。
滝壺に落ちれば一巻の終わりです。