また不機嫌  4/5-1 | わかっていたけど辛かった年下彼氏の裏切りとその後の話もろもろ

わかっていたけど辛かった年下彼氏の裏切りとその後の話もろもろ

雨降って地固まり、
本日も歳の差カップル継続中。

こんなことを書いてもしょうがないとも

思ったが、

これを書かないでいると、

クマオと私の物語が嘘になるような気がした。

 

なので、

やっぱり備忘録として綴っておくことにした。

 

 

 

 

 

昨日。

 

クマオが超不機嫌だった。

せっかく午後半休を取って、

お花見に出かけるというのに。

 

 

私はもうそんなクマオに、

 

怒りや悲しみよりも、

また何でこうなるのかということへの

疑念よりも、

 

ただ呆れた。

 

 

車に乗り込んだ瞬間に

その空気は伝わった。

 

約束の時間より30分遅かったクマオ。

そのことを謝るわけでもない。

 

 

「どうしたん?」と尋ねると、

「頭が痛いだけ」と、恐ろしく不機嫌に

答える。

 

 

「バファリン飲む?」

「ええわ」

 

ニコリともしない。

何に怒っているのだろうかと理解に苦しむ。


 

 

 

不機嫌は不機嫌な未来を作る。

クマオは道中、車中の中で、

何度も、

「最悪や!」と言った。

 

実際、「最悪」と言いたくなるような

出来事が次々とクマオに起きた。

 

コンビニで買ったコーヒーがこぼれ、

サンドイッチの具が、クマオのキレイな

空色のニットに染みをつけた。

 

選んだ道は渋滞していた。

 

 

それはまさにパラレルワールド。

不機嫌を克服していれば、

違う未来がやってきたはずだと

私には思えた。

 

 

 

 

 

 

そのお花見スポットは、

平日だというのに、とても人が多かった。

 

一言も口を訊かず、桜を愛でた。

 

川沿いの土手、約4キロにわたって続く

桜並木。

 

往復すれば8キロの道のり。

写真を撮ろうにも人、人、人。

 

 

私は、ほんの数本の桜並木を通り抜けて

クマオに言った。

 

「戻ろ」

 

クマオはギョッとした顔をしたが、

さっさと引き返す私の後をついてきた。

 

 

車に戻り、

「これからどうする?」と訊くクマオに

私は言った。

 

「クマオさんが不機嫌やから、

 楽しくないんよね。

 もう帰ろう」

 

 

クマオが言った。

「誰だって不機嫌な時あるやんか」

 

 

「うん、

私だってあるよ、そんな時。

でも、それを丸出しにしたら、

楽しくないやん。

二人の空気が悪くなるだけやん。

それでも笑っているのは、

私には無理。

私、メンタル弱いから」

 

 

不思議なぐらい平常心でさらっと

言えた。

 

「ここんとこ、

クマオさん、出かける度に不機嫌やん。

きっと疲れてるんやと思うよ。

そりゃぁそうやわあ。

お休みないんやもん。

おうち帰って寝るといいわ」

 

 

平常心は言葉のトーンにも完璧に

反映されていた。

私はクマオの顔を見ることもなく、

まっすぐ前を見て淡々と言った。

 

「・・・・」

 

クマオは黙って車を出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

川土手のつくし。

つくしを見ると、

何故かワクワクする。

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