「彼女とは別れない」。そう言ったクマオの顔が浮かんでは消え、私はその夜も眠れない。
鉛のような心で翌朝目が覚めた。
クマオはどうしているのだろう。女と「おはよう」と爽やかなラインを送りあっているのか、
モーニングコールをしあっているのか。
もうどうでもいい。もうどうとでもなれ。何も考えることができないほど心は疲弊していた。
朝の支度を終え、とりあえず仕事に出かける。
仕事に集中しようと懸命にメールのチェックをしていた9時半ごろ、ラインに気づく。
クマオからだった。
「ソウルメイトだと思っていた。これから先もそう思い続けると思う。一緒に過ごしてきた時間だけじゃなく
いろんな相性も価値観も趣味も味覚も共有できる。恋人を超越した存在なんだと思っている。
それが僕の勝手な思い込みで、りこには関係のないことなのか。よくわからない。僕にとってはりこは
他にはない存在です。わけわからんよね。伝わらないな」。
「ソウルメイト」。何日か前、すがる思いでアクセスしたスマフォの無料占いのサイト。
結果は、「前世からの魂の結びつき」と出ていた。それが「ソウルメイト」ということなのか。
そしてその言葉が今クマオから示される。シンクロしたような気がした。