ほとんど「スンチー(春慶とも書く透明塗り)」なんかありませんでした・・・

「おしゃれ」や「手触り」の関係で「塗り無し」の棹の方が一部いて(奄美は意外と多かった)・・・

「スンチー塗り」と言う「赤や茶系の透明塗り」なんかも稀にいる「おしゃれ三線」の棹の仕上げ方の一つで「30年くらい前の三線はほとんど黒塗り」が相場でした・・・

高い三線の「黒塗り」は「琉球本漆」による、「豚の血」・「クチャー(南部泥岩質)」・「本漆」などを使った優美な「重ね塗り」であり、その「高級塗りがなされた三線」こそが最上級のものでした・・・

現在は「本漆塗り」も再現された伝統工芸士が製作した「伝統的工芸品」として「沖縄県三線製作事業協同組合さん」の血の滲むような努力で検定され合格したもののみ「伝産品マーク入り」て「各伝統的工程をだれがどういった工法にて仕上げたのか」を示すページへ飛べる「QRコード」も印刷された「伝産品証紙」が添付され、同組合の那覇市にある「販売店」にて「87万円」などで販売されています・・・

昔は自分の予算次第で高いものは作って貰えた時代もありました(但し、高額すぎる、又は製作上の無理難題突きつけて無理やり作らせた高額と、三線店が言える最高額ラインは今も変わらず違うと言えるでしょう)・・・

「昔三線(古い三線)」で「上等(高級)なもの」を見る時には大抵の塗りが「黒塗り」ですので、「塗りの仕事」に注意して見てみてください・・・

「爪裏の塗りの際から泥岩質らしきものが見える」とか、「糸蔵内の処理がただ金色なのではなく金箔押しで仕上げてある」など多数の点で「たとえ代用漆のカシュー塗りなどであっても下地塗りなどがなされている」など見どころ満載ですよ・・・

「スンチー(透明塗り)」にしないと素材が分からない・見えないから価値がない・・・

そんな風潮に「三線ブーム」は「三線そのものを変えてしまった」とも言えるのですよね・・・

その中で「黒檀類などの材の枯渇」により「良材の確保の困難さが上がった」のも事実です・・・

「古楽器としての三線マニア」な私としては・・・

「30年以上前の三線を見るなら黒塗りが基本」であり・・・

「ここ20年くらいの間の製作の三線を見るならスンチー塗り」ってなっているのが事実でしょうね・・・

あまり「流行に流され過ぎた後」には「頽廃」してしまいがちなのは楽器も同じかと思いますので・・・

私のアイコンの写真に使っている「100兆ジンバブエドル札」みたいに「末は紙屑」になってしまう事も・・・

三線に関しては「文化レベルで危惧」していたりします・・・

ちなみに「100兆ジンバブエドル札」は趣味で所有していますが・・・

かの紙幣でも末期には1枚でも「うまい棒1本買える価値が無かった」そうです・・・

「琉球文化圏の伝統楽器である三線」も・・・

「沖縄県」から「伝統的工芸品 三線」

「鹿児島県」から「伝統的工芸品 奄美地方のサンシン」

として「伝統的工芸品指定」がなされていますが・・・

「時代に流され過ぎ」て「伝統ってなんぞや?」とならないように願っております・・・

「沖縄県三線製作事業協同組合」様・・・

頑張ってくださいませ・・・