そもそも「国有林」やら「都道府県」やら「区市町村」と言った国や自治体の「公有の林」が規制対象であって、「私有地」や「私有の林」から伐採してはいけないということでは無い。

ただし、いくら私有地や私有の林に生えていた木竹だからと言って「国や自治体から文化財保護法等による保護を受け、指定や登録された木竹」だと違法伐採になりますよね。

公有の山林を整備する為に「伐採処分した処分木」だったらまだまだ日本全国あちこちで公的に払い下げられています。

確かにヤンバルのクルチやユシギは希少だと思いますし、八重山や宮古のクルチなどもかなり希少でしょう。

転じて、「琉球楽器またよし」さん。
「希少なセイロン黒檀の三線が5万円代で」・・・

確か「ebony」と世界的に呼ばれるカキノキ科やマメ科の黒色やその他縞杢やマーブル模様の木材が採れる「高級樹種」はもはや樹種を問わず希少な状態であるはずです。

そこでやはり頼りになるのは本当に「三線を製作している三線店さん」でしょうね。

「材を知り、材の特性に合わせたベストな作り」が得られるところは「三線を製作している三線店さん」です。

先に材質の希少さをいくら販売フォームやらに書かれていても「ブツが有って値段が付いている」うちは素人にはその樹種の希少さなんかよく分からない。

そんなもんですよね。

私は普段三線が専門ではないのですが、「モノ」を扱う以上多少なりとも判る部分がある。

私は奄美用の三線には象牙の糸巻を挿げたりしています。棹は今では希少な杢目が詰まって細かい縞黒檀やフィリピン黒木に挿げています。

沖縄では戦前「葬式のジーファ(白)のようだ」と「象牙の糸巻は忌み嫌われた」そうです。
奄美では同じ神道でも葬式に関しては日本の神道の影響が強い。

「象牙や白い硬質木の糸巻(カナクリ・カラクイ)」が「葬式のジーファ」とは奄美では思わない。
ユシギ(ユス)も希少な状態ではさほどない。
それが奄美。

しかも「象牙の糸巻」の「象牙」など「種の保存法」の他「特定国際種事業者」しか扱えない「ぞう科の牙」ですし、撥にも「本鼈甲」を使っているため、同じく「特定国際種事業者」しか扱えない「ウミガメ科の甲」なんです。

上記の素材「象牙」「鼈甲」ですら「キャリーオーバー的なグレーゾーン」が無くはないですね。

「黒檀」そのものが「世界のどこに行っても希少なもの」という「基本」を売る側も買う側も明確に持たない限りダメだろうなぁ。

そう時々思うのです。

最後に沖縄県の八重山地方にある某三線店のホームページを見て、絶句しました。

「その他雑木(紫檀・チュン木など)」

もう一度書きますよ。

「その他雑木(紫檀・チュン木など)」

この販売サイトを英訳しながら環境保護団体等が見た場合どう思うのでしょうか?

「紫檀類は世界的には希少な樹種である」

こういう意識や知識が欠如してるんでしょうね。

「コンプライアンス」

大切ですね。

「密伐採ではない伐採」で入手したその木竹類の樹種はそもそも「密伐採」をされる程に過去に伐採されていて、現在では「とんでもなく希少な樹種」となっている。

そこから確りと考えて行かないと「物事の本質」にはとても辿り着かない。

そんな風に思います。