開館60周年を迎えた国立西洋美術館。
それを記念して“開館60周年記念 松方コレクション展” が開催されてます。
 
 
ずっと楽しみにしていた展覧会。
会場内は、平日なのに結構な賑わい。
ツアーで来ている方もたくさん。
 
地下に降りていくと映像が流されていて、最新鋭のデジタル技術で復元された 《睡蓮、柳の反映》が。
 
 
松方コレクション、1910年~1920年代にかけてヨーロッパで収集した数々の作品。
わずか10年足らずで集めたのは、西洋美術約3000点、浮世絵約8000点・・・・というから驚き(°0°)
川崎造船所の経営破綻、ロンドンの倉庫火災、関東大震災、フランス政府による没収etc
戦後、フランス政府と交渉のうえ返還された375点が、こちら西洋美術館のはじまりです。
そんな歴史の大波をくぐり抜けてきた作品だと思うと、なんだか感慨深いものがあります。

最初は、”プロローグ” モネの名作<睡蓮>から。
”ロンドン 1916ー1918”
このブースが一番混雑してたかな?
西洋の美術館のような展示の仕方にワォっ!!
普段、常設展示室で当たり前のように展示されている作品ですが、
こうやって改めて見ると、また違った雰囲気が。
松方と意気投合、絵画購入のアドバイスをしたというプラングインの作品5点
私、プラングイン好きかも?なんて思っちゃいました。
セガンティーニ<花野に眠る少女>とかいいなぁ~。
 
Ⅱ章は”第一次世界大戦と松方コレクション” 
Ⅲ章 ”海と船” 
ドービニーさんの絵がありました。素敵です。
そしていいなと思ったら三井住友銀行所蔵。
三井住友銀行、他にもいい絵をたくさん持ってる。
三井家が集めてたんだなと。。。
<裕仁殿下のル・アーブル港到着> 色使いが好みです。
 
Ⅳ章は”ペネデイットとロダン”
そして第Ⅴ章”パリ 1921ー1922”
ここには、フランス政府が重要作品だからと返還されなかった
ゴッホ<アルルの寝室>、ゴーガン<扇のある静物>が展示。
オルセーでも、こんなに間近にアルルの寝室は見られなかった記憶があります。
これは絶対見逃せません。
ドンゲン<カジノのホール>にゴッホの<ばら>、モローの<牢獄のサロメ><ピエタ>と
お気に入りの作品も見ることが出来ました。
ドニ<パリエニシダ>、シニヤック<漁船>なんかも好みです。
ゴーガン<ブルターニュ風景>にマルケ<坐る裸婦>、初めて見たような。。。
 
Ⅵ章”ハンセン・コレクションの獲得”
コローの<罪を悔ゆる女>好みだなぁーと思ったら、こちらも三井住友銀行所蔵でした。
モネもシスレーも、私の好みの作品は個人蔵。
この機会にしっかり目に焼き付けておかないと。
 
ドガの<マネとマネ夫人像>
なんと、カンヴァスの右側がバッサリと切り取られています。
マネがドガの描いた夫人の顔の歪みが気に入らず、切り取ってしまったそう。
それを見たドガは激怒して、マネから取り返したとか。
そんなマネのブリジストン美術館所蔵の自画像は個人的にお気に入り。
 
Ⅶ章”北方への旅”
ムンクもドラクロワもあったけど、ゴーガンの<籠の中の花>が好きです。
 
Ⅷ章は”第二次世界大戦と松方コレクション”
マティス<長椅子に座る女>、ハイム・スーティン<ページ・ボーイ>が
海の向こうからやってきています。
そしてマネの<嵐の海>がベルン美術館より特別出品されています。
この絵、一見暗い海なんだけど、ずっと眺めていたくなっちゃう。
静かに深い感動をおぼえる作品で、私の一番のお気に入りです。
 
そして、展覧会のラスト”エピローグ”を飾るのもモネ。
2016年、約60年ぶりにパリで発見され、国立西洋美術館に寄贈されたと
話題となった<睡蓮、柳の反映>
松方幸次郎がモネ直々に譲り受けたとされるこの作品、
発見時には大半が欠損、残った部分もボロボロ。
今回の展覧会のため、修復を急いだそうです。
無事に鮮やかな色合いを取り戻していました。
欠損した部分は黄昏時の空のようで、残った睡蓮の部分と
イイ感じで調和して、元の作品よりいいじゃんと思うのは私くらいかしら??
 

とにかく、とにかく素晴らしい展示に満足。

9月まであと2、3回は行こうと決めた私でした。

常設も見たかったけど、嫁しなきゃいけないので時間切れ。

 
 
図録を眺めて余韻に浸ります。